OpenAIが、ChatGPTなどのAIサービスを支える大規模データセンターについて、新たな呼称として「Compute Campus」の採用を検討していることが分かった。電力消費や環境負荷への懸念を背景に地域社会の反発が強まる中、施設を雇用やエネルギーインフラを含む長期投資として位置付け直す狙いがある。
Business Insiderが1日付で報じたところによると、OpenAIはデータセンターに代わる新たな名称の導入を提案する計画だという。OpenAIは「Compute Campusは、当社が構築するAIインフラの規模と役割をより的確に表す」としたうえで、「コンピューティングとエネルギーインフラ、そして高度人材への長期投資だ」と強調した。
こうした構想が浮上した背景には、米国でデータセンター建設に対する否定的な世論の広がりがある。Pew Research Centerが7〜8月に米国の成人1万548人を対象に実施した調査では、54%が「データセンターは環境に悪影響を及ぼす」と回答した。1月調査の39%から15ポイント上昇した。
家庭向け電気料金に悪影響があると答えた人も50%に達した。さらに回答者の60%は、自分の居住地域に新たなデータセンターが建設されることに抵抗感を示した。
Meta、Amazon、Microsoftなどの大手テック企業はこれまで、データセンター周辺の学校や地域社会に数百万ドル規模の支援を約束し、反発の緩和を図ってきた。OpenAIも呼称の見直しを通じて、施設に対する否定的な認識の改善を目指すとみられる。
OpenAIはあわせて、データセンターの立地地域の住民が開発プロセスに参加し、建設や運営によって生まれる経済的機会を共有できるようにする構想も示した。
政治的な背景もある。米国では直近の選挙を控え、データセンターが地域の重要課題として浮上している。Axiosによると、OpenAIは選挙後、AI規制やインフラ開発を巡る政策・広報活動を強化する計画だ。
特に、民主党の議会内での影響力拡大をにらみ、新たな政策提案や地域社会との協力策を準備しているという。
もっとも、新たな呼称が実際に定着するかは見通せない。名称を変えてもデータセンターの電力消費や環境負荷そのものが軽減されるわけではなく、今後は地域社会とどのような具体策を打ち出すかが評価の焦点となりそうだ。