ビットコイン(写真=Shutterstock)

ビットコインは足元で反発しているが、相場の上値は重い。上場投資信託(ETF)から6億4300万ドルが純流出する一方、デリバティブ市場では建玉が膨らんでおり、現物買いを伴わない戻りとの見方が強まっている。

ブロックチェーンメディアのCryptoSlateが1日(現地時間)に伝えたところによると、市場の焦点は11月6日に予定される雇用指標の発表までに、需要の回復が相場の反発を支えられるかどうかに移っている。

今回の反発局面で注目されるのは、買いの主体だ。デリバティブ市場でのポジションは積み上がる一方、現物需要の指標とされるETFでは資金流出が続いた。現物資金の戻りが伴わなければ、反発の持続力は限られる可能性がある。

ETFでは6億4300万ドルの純流出が確認された一方、デリバティブ市場への資金流入は続いた。市場参加者が現物買いよりもレバレッジをかけた取引に傾いている兆候とも受け止められる。価格が戻ってもETFの償還が続き、デリバティブ建玉だけが一段と積み上がれば、上昇の勢いは不安定になりやすい。

暗号資産デリバティブ分析企業のBlockScholesは10月30日付のリポートで、直近24時間に暗号資産市場全体で15億3000万ドル相当のポジションが清算され、その84%がロングポジションだったと明らかにした。ただ、大規模な清算局面でも新規ポジションが積み上がることはあり、清算の増加だけで市場全体のエクスポージャーが縮小したと断定するのは難しいとしている。

実際、10月31日時点のCoinalyzeのデータでは、複数のビットコインデリバティブを合算した未決済建玉は280億ドルと、24時間前から3%増えた。ただし、ドル建ての未決済建玉は契約数量だけでなく価格変動の影響も受ける。このため、この数字だけで投資家が差し入れた証拠金に対するレバレッジの度合いや、追加清算リスクを判断することはできない。

資金調達率(ファンディングレート)も重要な判断材料となる。BlockScholesによると、急落局面ではBinanceのビットコインの資金調達率はゼロ近辺まで低下したが、プラス圏は維持した。これはロング勢がショート勢に支払うコストが低下したことを示す一方、未決済ポジションや証拠金リスクが解消したことを意味するわけではない。反発局面で未決済建玉がさらに積み上がるのか、ロング保有コストが再び上昇するのかが今後の注目点となる。

次の焦点は11月6日の雇用指標だ。マクロ指標の発表を前にリスク資産への選好が揺れやすいなか、ビットコインでも現物需要が実際に戻るかどうかの重要性が高まっている。デリバティブ主導の反発が続くのか、それともETFを含む現物資金の再流入が相場を下支えするのかが、短期的な方向感を左右しそうだ。

市場は資金フローのバランスにも目を凝らしている。ETFからの流出が続けば、戻り局面のたびに売り圧力が意識されやすい。逆に、デリバティブ建玉の拡大が一時的にとどまり、現物資金が回復すれば、足元の反発はより安定した基盤を得る可能性がある。今回の戻りの成否は、価格水準そのものよりも、現物需要がデリバティブ市場でのレバレッジ拡大を吸収できるかにかかっている。

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