14回目の試験飛行に成功したStarship(写真=SpaceX)

SpaceXは28日(現地時間)、次世代大型ロケット「Starship」で初の軌道飛行に成功した。Starlink V3衛星26基を投入し、約9時間50分の飛行を完了した。衛星通信網「Starlink」の拡充と、将来的な打ち上げコストの低減に向けた重要な一歩となる。

宇宙専門メディアのSpace.comによると、Starshipは米テキサス州のスターベースから打ち上げられ、低軌道に到達した後、搭載していたStarlink V3衛星を展開。任務を終えた後、地球へ帰還した。

打ち上げは米東部時間午前8時48分。やや遅れはあったものの、打ち上げから約25分後、上段宇宙船がRaptorエンジン1基を短時間再点火し、低軌道への投入を果たした。

その後、打ち上げから約34分後からおよそ30分にわたり、衛星26基を順次投入した。このうち3基にはカメラが搭載され、機体の耐熱タイルの撮影に用いられたという。

第1段ブースター「Super Heavy」は打ち上げの約7分後、メキシコ湾に計画通り着水した。今回は発射塔のロボットアームでブースターをつかむ回収は実施しなかった。

飛行中には一時的なトラブルもあった。上段のRaptorエンジン6基のうち1基が離陸過程で停止し、一時はミッション中止の可能性も示されたが、最終的に管制チームは飛行継続を選択した。SpaceXの広報担当者は、任務継続の姿勢を示していた。

Super Heavyでも飛行中に一部エンジンが停止したが、着水には影響しなかった。上段機体はその後も約8時間軌道上にとどまり、最終的にチリ沖の太平洋へ着水した。イーロン・マスクCEOはソーシャルメディアに「Starship初の軌道飛行成功」と投稿した。

今回の打ち上げは、Starshipにとって初の商用ペイロード搭載ミッションだった点でも意味が大きい。Starlinkは昨年、SpaceXの売上高の大半を占めた中核事業とされる。

SpaceXは現在、約1万1000基のStarlink衛星を将来的に10万基規模へ増やす計画を示している。Falcon 9を大きく上回る輸送力を持つStarshipによって、V3衛星を大量投入することがその前提となる。

Starshipは完全再使用型を目指す大型ロケットで、SpaceX経営陣は打ち上げコストをFalcon 9比で最大10分の1に抑えられると試算している。マスク氏も、1年以内に「1日1回の打ち上げ」が可能になるとの見方を示してきた。

SpaceXは今後、軌道上データセンターの役割を担う衛星群の打ち上げ構想にもStarshipを活用する方針だ。月や火星への定住計画でも、同機を中核に据える考えを示している。

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