写真はイメージ(Shutterstock)

Toyotaは、2028年から年間64億2000万ドルを投じて工場の自動化を拡大する。長期的にはグループ全体で約40万台のロボット導入を視野に入れており、従業員がヒューマノイドに現場作業を教示する取り組みも始めている。人員の単純な置き換えではなく、人とロボットが協働する生産体制の構築を目指す。

米ITメディアArs Technicaが22日(現地時間)に報じた。計画にはヒューマノイドと非ヒューマノイドの双方が含まれる。

内訳は、Toyotaの自動車工場に15万台、部品・素材を生産するグループ会社の施設に25万台を配置する構想だ。現時点で実際の導入台数や、全体に占めるヒューマノイドの比率は明らかにしていない。

Toyotaはすでに、一部の「Elaine」ヒューマノイドロボットを組立ラインに投入し、現場作業の手順を学習させている。Elaineは車輪で移動する方式で、精密な手作業をこなせるよう開発を進めているという。

従業員は、ヒューマノイドの指の構造を模した治具を使って作業方法を教えている。

大規模なロボット導入を巡っては、人の役割が縮小するのではないかとの懸念もある。Toyotaは世界60工場で1万8000人の熟練作業者を擁し、米国でも11カ所の生産拠点を運営している。

ナカジマ・ヒロキ(Hiroki Nakajima)上席副社長は、導入の狙いについて「ロボットが人間を代替するのではなく、人間と共存する世界だ」と述べた。

自動車業界にとって、産業用ロボットそのものは新しい技術ではない。これまでも、作業台に固定したロボットアームや、部品・資材を搬送する移動型ロボットが広く活用されてきた。

最近は、人間向けに設計された作業環境で使いやすい汎用ロボットとして、ヒューマノイドの開発競争が本格化している。

一方で、ヒューマノイドロボットの大規模普及には課題も残る。人工知能やロボットハードウェアの性能向上に加え、人と協働する際の安全性、運用面の問題、生産コストの改善が必要とされる。

人を雇用する場合に比べ、どこまで費用対効果を確保できるかもなお見通せない。各社がヒューマノイドの量産を本格的に試み始めたのも最近だ。

それでも、自動車業界でロボット導入が一段と広がる可能性は高い。完成車メーカーは、電気自動車を含め、コンピュータや半導体の搭載量が増えた新型車の生産に対応するため、組立ラインの再編を進めている。

同時に、一部で深刻化する熟練人材不足や労働力の高齢化への対応も迫られている。その半面、ロボットや人工知能(AI)の導入が解雇や賃金、処遇への圧力につながるとして、労働側の反発も出ている。

他の完成車メーカーもヒューマノイド導入を進めている。中国の電気自動車メーカーXpengとNIOは、自社ヒューマノイドの開発や関連技術への投資を進めている。

Hyundai Motor Groupは、米ロボット子会社Boston Dynamicsが開発した「Atlas」ヒューマノイドを2028年から工場に投入する計画だ。今後数年でHyundaiとKiaの生産施設に最大2万5000台を配置する目標を掲げている。

Boston Dynamicsは21日、米ジョージア州のHyundai Motor Group Metaplant Americaにロボット訓練センターを開設した。同施設は、Atlasが自動車部品を順番にそろえ、組み立てに必要な部品を正しい順序で配置する作業などを学習できるよう設計されているという。

Toyotaも、ヒューマノイドを含むロボットの大規模導入に向け、熟練作業者の技能をロボットに学習させる段階に入った。今後は、実際の配備規模やヒューマノイドの比率、人とロボットの役割分担をどこまで具体化できるかが焦点となる。

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