写真=Kalshi

米予測市場プラットフォームのKalshiは22日、米商品先物取引委員会(CFTC)に対し、イベント契約市場で借入を伴うレバレッジ取引を認めるよう申請した。全額現金担保を前提とする現行ルールを緩和し、機関投資家の参加を広げる狙いがある。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanによると、申請を行ったのはKalshiの自社清算機関「Kalshi Klear」。米国の規制下にあるイベント契約市場で、証拠金を活用した取引を可能にするようCFTCに求めた。

Kalshiは、現行の全額現金担保方式が長期契約への機関参加を妨げているとみている。米国のイベント契約市場では、ポジション全額に相当する現金の預託が必要で、満期まで数カ月ある契約では資金が長期間拘束される。このため、借入を認めれば資金効率が高まり、長期契約の取引採算も改善すると説明している。

申請では、レバレッジの導入範囲を限定した。満期が近づくにつれて必要担保を引き上げる段階的な証拠金制度を提案したほか、スポーツや文化、「メンション」市場に分類される契約は対象外とした。Kalshiの広報担当者は、CFTCが承認した場合でも、借入機能はKalshi Klearと直接契約し、所定の資本要件を満たす自己清算メンバーに限って提供されると述べた。

一方で、市場構造を巡る疑問も残る。DeFiLlamaの集計によると、ビットコインとイーサリアムの無期限先物市場では、特定の金額帯で繰り返される取引が総取引額の半分超を占めたという。

17日から20日にかけてのイーサリアム無期限先物のサンプルでは、1件当たり5499ドルを中心に前後2ドルの範囲に収まる取引が計770万ドルとなり、全体の57%を占めた。ビットコインでも、約2500ドルと5000ドル単位の反復取引がサンプル全体の54%を占めた。さらに、6月19日以降に収集した1時間ごとのサンプル46件のうち43件で、一定金額の取引が繰り返し確認された。

もっとも、反復する取引金額だけで実際の参加者数や売買の集中度までは断定できない。今後レバレッジ取引が導入されれば、取引が少数の参加者にどの程度集中しているかも検証の対象になりそうだ。

今回の申請は、Kalshiの事業拡大の流れとも重なる。同社はすでに無期限先物でレバレッジを提供しており、今月は金と銀の無期限先物の上場を巡るCFTC手続きも終えた。5月末に暗号資産分野で始めた無期限先物は、これまでに440億ドル超の名目取引高を記録している。加えて、米国株、銅、外国為替を原資産とする無期限先物の追加申請も進めている。

機関需要の取り込みを巡る競争も激しい。競合のPolymarketも7月、米国のイベント契約市場で将来的にレバレッジ取引を提供するため、必要な許認可の確保に動いた。

ただ、今回の申請でKalshiを巡る規制対立が解消するわけではない。最大の争点はスポーツ契約だ。コネティカット州は8月、Kalshiを提訴し、スポーツ契約を連邦法上の保護を受けるデリバティブとみなす分類を認めていない。ミシガン州の裁判所も9月1日、同社が州内でスポーツ市場の提供を続けた場合、1日当たり最大50万ドルの制裁金を科す可能性があるとする命令に署名した。ニュージャージー州は、この市場の監督権限がCFTCと州政府のどちらにあるのかを巡り、連邦最高裁の判断を仰いでいる。

こうした規制環境を踏まえると、Kalshiが今回の証拠金申請でスポーツ契約を除外したのは、新たな対立の火種を避ける狙いがあるとみられる。CFTCの判断次第では、米国の規制下にある予測市場での機関参加の範囲や取引構造が変わる可能性がある。

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