Ethereumのイメージ(写真=Shutterstock)

2015年のEthereum ICOに参加した初期投資家のウォレットが21日、約2372万ドル相当のステーブルコインを投じて8492.8ETHを買い戻した。3月に保有分を売却していたアドレスが、約6カ月後により高い水準で再び取得に動いたことで、市場では大口投資家の動向に注目が集まっている。

Cryptopolitanによると、このウォレットは3月にETHを1枚当たり約2010ドルで売却した後、21日に平均2793.59ドルで8492.8ETHを再取得した。

取得にはDAI、USDS、USDC、USDTの4種類のステーブルコインを使用した。オンチェーン分析者のai_9684xtpaは、総投下額を約2372万ドル(約35.6億円)と推計している。取引は分散型取引アグリゲーターのCow Swapを通じて執行されたという。

買い戻しは約8分間に4回に分けて行われた。ウォレットアドレス「0xBE42…0c5F」は、DAI約1005万ドルで3591.36ETH、USDS約449万ドルで1611.18ETHを取得。続いてUSDC約706万ドルで2527.90ETH、USDT約213万ドルで762.36ETHを買い付けた。

同時期に、このウォレットはDeFiレンディングプロトコルAaveで抱えていたwETH関連債務も返済した。その後、担保として預けていた約8876ETHを引き出した。今回の新規取得分を合わせると、保有量は約1万6773ETHに達したとみられる。

過去の売却タイミングも注目される。取引記録によれば、このウォレットは3月27日、Aave上のwETH 1923.05枚を386万6637.83USDCで売却した。当時の売却単価は1ETH当たり2010.68ドルだった。その後の上昇を経て、今回は約2794ドル水準で再び市場に入った格好だ。

もっとも、買い戻し直後の値動きはこのウォレットに有利には働かなかった。22日時点でETHは約2749ドルで取引され、新規取得分には約38万2000ドル(約5.7億円)の含み損が生じた。一方で、ETHは購入後数時間で2807ドルまで上昇し、2026年1月30日以来初めて2800ドル台を回復した。

このウォレットは、Ethereumの初期販売分と結び付くアドレスとしても知られる。ai_9684xtpaは、このアドレスについて、ネットワーク立ち上げ時に1ETH当たり約0.31ドルで3万8800ETHの配分を受けたICO参加ウォレットと分析した。元本は約1万2028ドルで、ETHが2800ドル近辺まで上昇した局面では、同保有分の評価額は約1億860万ドル規模に達したという。

足元では、大口投資家によるETHの買い増しも続いている。別のアドレス群は18日から5日間で約5580万ドル(約83.7億円)を投じ、2万1520ETHを取得した。平均取得単価は2593ドルで、当時の時価ベースでは約325万ドル(約4.9億円)の評価益を計上していたとされる。資金はHyperliquidのラップドBitcoin「UBTC」の売却で捻出したとの分析も示された。

機関投資家マネーの流入も続く。トム・リー氏が率いるBitmineは先週、2万7562ETHを追加購入した。集計では、同社の保有量はEthereum供給量の約4.9%に達している。また、21日の現物Ethereum ETFへの純流入額は2億7000万ドル(約405億円)となり、BlackRockのETHAが1億1010万ドル(約165億円)、FidelityのFETHが7300万ドル(約110億円)で流入をけん引した。

2015年ICO参加ウォレットの買い戻しに加え、大口投資家や機関投資家の買い増しも重なり、ETH市場の資金フローには変化の兆しが出ている。今後は、初期投資家の再参入が一時的なポジション調整にとどまるのか、中長期の保有拡大につながるのかが焦点となる。

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