ビットコインの月間リターンは、少数の大幅上昇日に大きく左右される可能性がある。22日付のDecryptによると、ビットコイン解説者のクインテン・フランソワ氏は、月間リターンと、上昇幅が大きかった4日を除外した場合のリターンを比較したチャートを公開した。相場のタイミングを正確に狙う戦略の難しさを示す材料として注目を集めている。
チャートによると、2026年8月のビットコインは月間で24.9%上昇した。しかし、上昇幅が最も大きかった4日を除くと、リターンは0.5%高にとどまった。2024年11月も月間で37.1%上昇したが、同じ手法で計算すると4%高まで縮小した。
過去の上昇局面でも同様の傾向がみられた。2023年3月は23.2%高だったが、上昇幅上位4日を除くと8.3%安に転じた。2021年2月は36.8%高から5.2%安、2020年4月は34.5%高から1.9%安となった。2019年5月は62.5%高から2.6%高へ、2017年12月は39.3%高から22.6%安へと低下した。
こうした結果は、ビットコインの月間上昇分の相当部分が、月を通じて均等に積み上がるのではなく、少数の強い上昇日に集中しやすいことを示唆する。フランソワ氏は、相場から外れていた投資家が急騰局面を逃すと、最終的なリターンに大きな差が生じ得ると説明した。
もっとも、この分析手法には異論もある。X(旧Twitter)のある利用者は、上昇幅の大きい日だけを除外し、下落幅の大きい日を考慮していないため、全体のリターンを適切に示していないと指摘した。上昇側の極端値だけを取り除けば、ビットコインの実際の値動きがゆがんで見える可能性があるという主張だ。
論点は分析の前提条件にある。このチャートが示しているのは、投資家が上昇幅上位4日を逃した場合の影響であり、下落幅の大きい日も同時に回避したケースは反映していない。フランソワ氏は、狙いは完全な投資シミュレーションではなく、上昇分の相当部分が数日間に集中し得る点を示すことにあるとしている。
この見方は、「マーケットに居続けることは、マーケットタイミングを当てることより重要だ」という投資の格言にも通じる。下落回避を狙う投資家は、売却のタイミングだけでなく再参入の時点も見極める必要がある。反発局面を逃せば、リターンが大きく低下する可能性がある。
Singapore Bankも2025年2月に公表した分析で、市場の最も強い上昇局面の一部を逃すだけで、長期リターンが大きく低下し得ると指摘した。短期的な値動きを正確に予測することは難しいとの見方を示している。
足元の値動きも、この議論への関心を改めて高めている。ビットコインは22日、8万7300ドルまで上昇し、1月以来の高値を付けた。その後は8万5500ドル前後で推移し、同日時点で24時間ベースでは4.4%高、直近1週間では11%上昇した。
年初来ではなお約2.3%安だが、下げ幅は縮小している。一方、過去1年との比較では約23%低い水準にある。直近安値からは約2カ月で51%程度上昇した。
今回の事例は、ビットコインの月間リターンをみる際、単純な月間騰落率だけでなく、収益がどの時点に集中したのかを確認する必要があることを示している。同時に、最大上昇日だけを除外する手法には限界もあり、この数値だけで投資成果全体を判断するには慎重な見方が求められる。