Axiosは22日(現地時間)、AI各社が新モデルの価格引き下げを相次いで打ち出し、競争の軸が性能からコストへ広がりつつあると報じた。低価格化によって利用を増やし、市場全体の需要拡大につなげる狙いがある。
報道によると、OpenAIは22日に「GPT-6 Sol」と「GPT-6 Luna」を発表した。利用料金は従来モデルに比べて50%引き下げた。
Anthropicも同日、「Opus 5.5」を投入した。同社は、Opus 5に比べて運用コストを約40%削減しながら、最高水準の知能を維持すると説明している。
イーロン・マスク氏率いるxAIも21日、「Grok 4.7」を公開し、コストパフォーマンスの高さを前面に打ち出した。
もっとも、この価格競争はOpenAIとAnthropicにとって収益面で重荷になりかねない。Axiosは、両社が数兆ドル規模の企業価値を裏付けるには、顧客基盤と売上高の成長を維持する必要があると伝えた。
一方で、値下げはAIブーム全体にとっては追い風との見方もある。モデル価格の低下に伴って利用量が大幅に増えれば、数兆ドル規模の投資を正当化する材料になり得るためだ。
Citadel Securitiesは顧客向けリポートで、トークン単価の低下が利用増を促し、AI関連支出全体の拡大にもつながっていると分析した。
Morgan Stanleyは、中国勢との競争激化も市場拡大を後押しするとみる。低価格なAIの普及が進めば、計算資源に対する需要全体が膨らむとの見方だ。
Axiosはこうした動きについて、技術進歩によって資源価格が下がると、かえって消費が増える「ジェボンズのパラドックス」になぞらえた。
中国のオープンウエイト系企業の台頭も目立っている。DeepSeekは9月に「V4.1 Flash」を投入した。
DeepSeekは、このモデルが複数のベンチマークで従来の主力モデルを上回る一方、価格はより低く抑えたと公表した。さらに、V4.1 Flashの今週の利用量は172%増加し、OpenRouterのランキングで首位に立ったという。
価格を引き下げてシェア拡大を狙う戦略自体は新しくない。AI各社はこれまでも、新モデルの投入後に旧モデルを値下げしたり、小型で低価格の「Flash」版を追加したりしてきた。
Axiosは、オープンウエイトモデルを手がける企業の攻勢が、主要AI研究機関全体でのコスト競争を一段とあおっていると報じた。