ビットコインは8万ドル台を維持したが、機関投資家の本格回帰にはなお慎重な見方もある。写真=Reve AI

ビットコインは週末に8万ドル台を維持した。ただ、先物市場のポジション動向とビットコイン現物ETFへの資金流入を合わせてみると、機関投資家の強気姿勢が明確に戻ったと判断するには材料が不足している。

CryptoSlateは20日、ビットコイン先物のポジションとビットコイン現物ETFの資金フローが、機関投資家の動向について一致したシグナルを示していないと報じた。

焦点となったのは、米商品先物取引委員会(CFTC)が15日時点で集計したビットコイン先物ポジションだ。規制対象の4つのビットコイン先物商品で、レバレッジファンドのネットショートは前週比7275BTC相当縮小した。一方、資産運用会社のネットロングは4733BTC相当減少した。

内訳を見ると、レバレッジファンドのネットショートは9月8日時点の約3万9877BTC相当から、15日時点では約3万2602BTC相当へ縮小した。ロングの増加とショートの減少が同時に進んだ格好だ。これに対し、資産運用会社のネットロングは同期間に約1万8866BTC相当から約1万4133BTC相当へ減った。

もっとも、先物ポジションの変化だけで需要回復を断定するのは難しい。CFTCは取引主体を個々のポジションの目的ではなく、主たる事業活動に基づいて分類している。このため、「レバレッジファンド」「資産運用会社」という区分が、そのまま単一の投資戦略を意味するわけではない。実際のポジションには、投機やヘッジ、リスク管理、市場間裁定など複数の要因が反映されうる。

ビットコイン現物ETFの資金フローも、回復基調を明確に示すには力不足だった。Farside Investorsの集計によると、17日は1億5950万ドル、18日は4億3300万ドルの純流入となり、2日間の合計は5億9250万ドルに達した。

ただ、14日から18日までの5日間(週間ベース)では純流入額は610万ドルにとどまった。足元で持ち直しの兆しは見られるものの、継続的な資金配分の流れに転じたとみるには時期尚早との見方が出ている。

先物とETFのデータを、機関投資家のセンチメントを示す単一指標として扱うのも適切ではない。ETFの設定・償還はファンドへの資金流出入を映す一方、CFTCの統計は先物市場におけるロング・ショートのエクスポージャーを示す。いずれも機関投資家の動きを探る手掛かりにはなるが、同じ投資家が両市場でどのようなポジションを取っているかまでは確認できない。

集計時点のずれにも注意が必要だ。CFTC統計は15日時点のデータで、その後の米連邦準備制度理事会(Fed)の政策発表や市場変動は織り込まれていない。今回の先物ポジションの変化が、ビットコインの現物買いや8万ドル突破に直結したと結論付けるのは難しい。

当面の焦点は、8万2000~8万2200ドルのレジスタンス帯を上抜けられるかどうかにある。もっとも、価格がこの水準を突破しても、ビットコイン現物ETFへの資金流入や資産運用会社のネットロング拡大が伴わなければ、機関投資家の需要回復との見方は広がりにくい。

次の注目材料は、22日時点のポジションを反映するCFTCの定期報告と、その後のETF資金フローだ。レバレッジファンドのネットショート縮小が続き、資産運用会社のネットロングが増加に転じれば、相場の強気転換を裏付ける材料として意識されやすくなる。

逆に、資産運用会社のネットロングが回復しないままショート縮小だけが続く場合は、弱気圧力の後退にとどまる可能性がある。ネットショートが再び積み上がれば、足元の変化は一時的な動きにすぎなかったとの見方も強まりそうだ。

現時点で確認できるのは、ビットコインが8万ドルを上回って推移し、レバレッジファンドのネットショートが減少した一方で、資産運用会社のロングは細り、週間のETF流入もほぼ横ばいだったという点だ。機関投資家が本格的に戻ってきたと判断するには、なお追加の確認材料が求められる。

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