写真=Kobo「Kobo Elipsa 2E」

電子インクタブレットは、読書や手書きを中心に使うユーザーにとって、iPadより適した選択肢になり得る――。Engadgetは9月20日(現地時間)、電子インクディスプレイが目の疲れにくさや屋外での視認性、電力効率の面で一般的なタブレットと明確な違いがあると報じた。

比較のポイントは用途の違いにある。電子インクタブレットは、書籍や文書の閲覧、メモといった画面変化の少ない作業を得意とする。

電子インクは、画面そのものが発光するのではなく、外光を反射して表示する仕組みだ。Engadgetはこの特性について、一般的なタブレットに比べて目に優しい可能性があるとし、紙に近い見え方も利点に挙げた。

屋外での使い勝手も差が出やすい。電子インクは外光を利用して表示するため、日差しの下でも画面を確認しやすい。一方、一般的なiPadは直射日光下では見づらくなる場合があるという。

もっとも、iPad Proは高輝度のタンデムOLEDディスプレイを採用しており、こうした弱点をかなり補っていると説明した。

ハードウェア面では、非光沢ディスプレイや軽さもメリットとされる。多くの電子インクタブレットは、光沢のあるガラスではなく非光沢の画面を採用しており、紙に書くような感覚を得やすい。

操作時の触感も一般的なタブレットとは異なる。加えて、電子インクは画面内容を保持するための電力をほとんど必要としないため、バッテリー駆動時間の長さにもつながる。

電子インク画面は、表示内容を切り替えるときに主に電力を消費する。このため、ページをめくらない間は低消費電力の状態を維持しやすい。Engadgetは、reMarkable Paper Proのように、こうした特性を生かしてiPadより長時間使える製品もあると紹介した。

一方で、電子インクタブレットがiPadを全面的に置き換えるのは難しい。代表的な弱点として挙がるのが色再現だ。

カラー電子インクパネルも登場しているが、現時点ではiPadの色域や鮮やかさに及びにくい。Engadgetは、漫画や画像、Webコンテンツの表示品質や色の正確さではiPadが優位だと説明している。

応答速度や処理性能の差も大きい。電子インクディスプレイは、画面が切り替わるたびに内部の粒子が実際に動く必要があり、動きのある表示は苦手だという。

そのため、動画再生は実用的とは言いにくく、メニュー操作やアプリの切り替えでも最新のiPadより遅く感じられる可能性がある。画面のちらつきや残像が気になる場面もあるとした。

こうした制約はハードウェア構成にも表れている。多くの電子インクタブレットは、高負荷なグラフィックアプリや複雑なアニメーション処理を前提に設計されておらず、比較的控えめな性能のプロセッサを搭載する。

表示更新の遅さも重なり、複雑なWebページでは体感差が大きくなりやすい。Engadgetは、重いページを待つくらいならスマートフォンを手に取ることもあると伝えた。

総じて、電子インクタブレットは読書や描画、手書きといった静的な作業に向くデバイスだ。一方、動画視聴やWeb閲覧、色再現が重要なコンテンツ消費を重視するなら、iPadやAndroidタブレットのほうが適している。

電子インクタブレットには明確な制約があるものの、テキスト中心の利用では有力な代替手段になり得る。今回の比較は、その適性の違いを改めて示した。

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