個人向けAIエージェント市場で競争が一段と激しくなっている。MetaはAIアシスタントアプリ「Muse」のMac版を公開した。新興各社も大型の資金調達や買収を通じて事業拡大を急いでいる。
Metaが提供を始めたMac版Museは、ファイル、メッセージ、カレンダー、メモ、メールと連携し、標準アプリをまたいだ作業に対応する。
スタートアップの動きも活発だ。個人向けAI秘書サービス「Instinct」を開発するSphere Street Technologyは、10億ドル(約1500億円)規模の資金調達を進めている。想定する企業価値は100億ドル(約1兆5000億円)。Instinctは年初に一部ユーザー向けの先行公開を始め、SMSの返信や夕食の予約などを処理できる。招待制ながら、利用対象の拡大に伴って利用者は10万人を超えた。
中国のAIスタートアップManusも、企業価値40億ドル(約6000億円)で5億ドル(約750億円)の資金調達を進めているとの情報がある。ManusはMetaへの売却が頓挫した後、独自路線に戻った。AIコーディングのスタートアップCognitionは、The Interaction Company of Californiaが運営するテキストベースのAIアシスタント「Pork」を買収した。
このほか、AIを巡る企業の動きも相次いでいる。HancomはAIワークフォースプラットフォーム「Nomadian」の初のテレビCMを公開した。12月末に米国でベータサービスを開始し、2027年にサブスクリプション型で商用化する計画だ。
AIワークエージェント企業Madras Checkは、自社コラボレーションツール「flow」がOpenAIのChatGPTとAnthropicのClaudeに公式アプリとして登録されたと発表した。
エンタープライズ向けエージェンティックAIを手がけるEnhansは、512億ウォンのシリーズCの資金を調達した。調達資金は、エージェントOSのデータ、プロセス、実行インフラの高度化に充てる。
構造化データ向けのファウンデーションモデル「TFM(Tabular Foundation Model)」を開発するNums AIは、自社モデル「Causilo」を公開した。Naver Cloudは、軍がデータとAIモデルの統制権を直接持つ「ソブリンAI」と、インフラからモデル、データプラットフォーム、アプリケーションまでを含むフルスタックを前面に打ち出し、国防AI転換(AX)市場の開拓に乗り出す。
生成AIソリューション企業Xenonは、コンピュータ画面を認識して直接操作し、業務を実行するAIモデル「Hunmin VLM 397B」をオープンソースとして公開した。
米国では、OpenAIが一部の広告主を対象に、ChatGPT内で広告ベースのエージェント機能をテストしている。Anthropicは、Claude ChatとClaude Co-Workの画面を単一インターフェースに統合した。作業ごとに使うタブが分かりにくいという課題の解消を狙う。Anthropicはあわせて、金融アドバイザー向けの「Claude for Financial Advisors」も投入した。
インフラ各社の対応も進む。Cloudflareは、AIクローリングに関して運用主体を識別する仕組みを導入した。検索結果への露出は維持しながら、AI学習用途のみを拒否する「Disallow AI Training」も提供する。
Cohesityは、企業向けAIエージェントのメモリや設定をバックアップし、障害発生時に信頼できる時点へ復元する「Cohesity Agent Resilience」を公開した。AdobeはNational Football League(NFL)と協業し、AIベースのコンテンツ供給網を構築する。
中国では、今年2月に清華大学の教授が設立したAIモデル新興のNaive AIが、評価額14億ドル超(約2100億円)の水準でTencentなどから3回の投資ラウンドを通じて4億ドル(約600億円)を調達した。
OpenAI出身の研究者ディオゴ・アルメイダが設立したTypeSafe AIは、テキストではなく確率値を出力する新モデル「Jev」を公開し、開発者の関心を集めている。オープンウエートのAIモデルを開発する米スタートアップArcee AIは、企業価値10億ドル(約1500億円)水準の評価でシリーズBを実施した。カナダのエンタープライズAI企業Cohereは、ドイツのAleph Alphaと200億ドル(約3兆円)規模の合併契約を結んだ。
AI時代を背景に、企業向けソフトウェア各社の存在感が高まるなか、ソフトウェアのインターフェース戦略にも注目が集まっている。関係者によると、大きくは2つの方向性がある。ユーザーがソフトウェアプラットフォームを直接訪れて使う形を重視する動きと、OpenAIのChatGPTのような外部AIツール経由での利用を許容し、拡散を優先する動きだ。
一方、公共クラウドを巡る制度面の見直しも進む。民間クラウド企業が公共機関にサービスを提供する際の信頼性と安定性を評価する認証制度は、2027年下半期から国家情報院の国家網セキュリティ体系(N2SF)に合わせた単一の検証体系へ一本化される。
これに伴い、科学技術情報通信部のクラウドセキュリティ認証(CSAP)は廃止され、クラウドセキュリティ認証はN2SFに統合される。認証取得の参入障壁はCSAPに比べてやや下がり、グローバルクラウド企業が公共市場で活動できる余地も相対的に広がる見通しだ。