中国の国営通信大手3社が、AIのトークン課金事業を新たな成長分野として前面に押し出している。AI導入の拡大で計算需要が急増するなか、China Mobile、China Telecom、China Unicomは今月発表した上半期決算で、AIおよびコンピューティング関連事業を主要な成長ドライバーに位置付けた。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が21日、報じた。
3社は、AIモデルが処理するデータの基本単位であるトークンの利用量を、計算能力やデータと並ぶ主要指標として掲げた。一方で、トークン事業単体の売上高やアクティブ顧客数、月間消費量、利益率は明らかにしていない。
China Telecomは、上半期のインテリジェントコンピューティング売上高が前年同期比95%増だったと明らかにした。これを受け、AI関連事業の売上高は7.1%増の311億元となった。
同社は全国のモバイルユーザー向けにトークンパッケージを提供している。「星辰トークンハブ」には142の大規模言語モデルと420超の業種別AIアプリケーションが掲載されている。計算資源とネットワークを統合制御するソフトウェア「息壌」も、20超のチップアーキテクチャに対応するよう機能を拡張した。クラウド売上高は7.8%増の618億元だった。
China Unicomの上半期のコンピューティング関連売上高は13%増の419億元。データセンター、計算能力リース、法人向けソフトウェア、クラウドベースAIなどが含まれる。
同社は、AIトークンの生成・移転・保存・利用をつなぐエコシステムの一環として「トークンスーパーマーケット」を開設した。UniAIプラットフォームは200超の大規模言語モデルと接続し、500テラバイト超の高品質データを確保した。2026年上半期の計算インフラ関連の設備投資は前年同期比80%超増え、全体の設備投資額の3分の1超を占めた。
China Mobileは、上半期のコンピューティングサービス売上高が14%増の529億元、AIサービス売上高が0.9%増の493億元だった。両事業を合わせた売上高は、主力事業売上高の22.6%を占めた。
モデルの学習と運用に使われる高性能コンピューティングの売上高は130%超増の53億元。China Mobileは、モデル、計算能力、データセンター機能を組み合わせる「トークン工場」戦略を打ち出したほか、地域別トークン商品の実証事業や、法人向けマルチAIモデル接続プラットフォーム「MOMA」も示した。
通信事業者以外でも、トークン経済の収益化に向けた動きが広がっている。中国のAIソリューション企業Fanxi Groupは、APIサービス売上高が前年同期比860%超増の4億6000万元だったと発表した。同期間のトークン消費量も約620%増えたという。
中国国家データ局によると、中国の1日当たり平均AIトークン呼び出し件数は3月に140兆件を超えた。2年前の1000億件から大きく増えた計算で、人口約14億人で単純計算すると、1人当たり約10万トークンに相当する。