XRPを巡る米議会の論点は、いまさら「商品になるかどうか」ではない。米規制当局はすでにXRPをデジタル商品と位置付けており、9月に採決が予定される「Clarity法案」は、その扱いを法律上明確にするとともに、CFTCに現物市場の監督権限を与えるかどうかが焦点となる。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicは20日、XRPを巡る本質的な争点は商品か証券かという単純な分類ではなく、その位置付けがどこまで持続的に担保され、機関投資家の資金流入を支える制度が整うかにあると報じた。
背景には、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)が3月17日に共同の解釈指針を示し、XRPをビットコイン、イーサリアム、ソラナと並ぶデジタル商品の例として明記したことがある。連邦レベルでXRPの商品性が示された点は大きい。
もっとも、この位置付けはあくまで規制当局の解釈に基づくものにとどまる。SECのポール・アトキンス委員長も8月18日、暗号資産の資金調達を巡る新たなルール案を公表した際、議会による立法の必要性を強調した。
アトキンス氏は、現在の取り組みを将来ほかの規制当局に覆されないものにするには、議会が制定する法律が欠かせないと説明した。3月の解釈だけでは恒久性に欠けることを、当局自ら認めた形だ。
このためClarity法案の意味は、単に既存の分類を追認することにとどまらない。法案が成立すれば、XRPの位置付けは当局解釈から、議会が定めた法律に基づくものへと変わる。
あわせてCFTCには、デジタル商品の現物市場に対する実質的な監督権限が付与される見通しだ。
一方で、市場の期待と実際の資金フローにはなお開きがある。XRPは好意的な司法判断に加え、連邦レベルで「商品」との扱いを得ており、米国では現物ETFが7本上場した。
ただ、関連商品の資金流入は限定的だ。上場後の累計流入額は15億1000万ドル(約2265億円)にとどまり、このうち6億6600万ドル(約999億円)が最初の1カ月に集中した。2026年上期の純流入は約3億2900万ドル(約494億円)、7月は2729万ドル(約41億円)まで減少した。
8月8日までの1週間の純流入額も101万ドル(約1億5150万円)にとどまった。
4週連続で純流入は続いたものの、大規模な追随資金はまだ確認されていない。法的地位の明確化だけでは、機関投資家の需要を十分に呼び込めない可能性を示している。
機関投資家にとっては、XRPの資産分類だけでなく、内部規定に沿って安全に保管・売買できる制度やインフラの整備も重要になるためだ。
上院日程もなお不透明だ。上院は9月14日に審議を再開するが、15日の採決は法案そのものの可決ではなく、討論入りに向けた手続き採決になる見通しだ。
その後も、60票の賛成確保に加え、上院農業委員会案と下院案のすり合わせ、最終署名手続きが残る。年内にすべての手続きが完了するとの見方は多くない。
結局のところ、9月採決の注目点はXRPが突如として「商品」になるかどうかではない。すでに認められている商品としての位置付けを議会が法律で明確にするのか、そして米デジタル資産の現物市場に機関資金を呼び込むための監督枠組みを整えられるのかが、より大きな争点となる。
手続き採決の通過、審議の遅れ、あるいは想定外の後退はいずれも、XRPのように材料に反応しやすい資産のボラティリティを高める可能性がある。