マクロ経済学者のリン・オールデン氏は、ビットコインについて一段安を促す材料は限られているとの見方を示した。短期筋の資金流出が進んだことで売り圧力が和らぎ、今後は新たな買い需要を呼び込みやすい局面に入る可能性があるという。
Bitcoin Magazineが20日(現地時間)に報じたところによると、オールデン氏はCNBCのインタビューで、短期資金の多くがすでに市場から退出したため、追加的な売り圧力は弱まっていると述べた。
同氏は、ここ数カ月にわたり投資家心理が低調だったことは認めつつも、相場をさらに押し下げる新たな材料は多くないと評価した。とりわけ「ファストマネー」と呼ばれる短期資金は、かなりの部分がすでに流出したと指摘した。
また、市場では、ビットコイン財務戦略を進めるStrategyによる追加売却への警戒感が強くないことも、相場の重荷を和らげる要因として挙げた。
ビットコインは今週に入って急反発し、足元では7万3100ドル台で推移している。直近24時間で約5%、過去7日間では約15%上昇した。オールデン氏は、複数の指標からみて、バリュエーションと投資家心理のいずれもレンジ下限に近い水準にあるとの見方を示した。
そのうえで、小幅な上昇でも新たな買いを呼び込みやすい可能性があるとした。前向きなチャートシグナルが出ればテクニカルトレーダーが戻りやすくなり、上昇の勢いが強まれば追随資金の流入も期待できると説明した。
今回の反発局面は、ドナルド・トランプ米大統領の暗号資産に関する発言とも時期を同じくした。トランプ大統領はホワイトハウスで暗号資産業界の幹部と会談した後、市場構造を巡る法案「クラリティ法案」(Clarity Act)の可決を議会に促した。
同大統領はこの法案を「非常に、非常に強力な立法」と評価し、早期成立を求めた。
クラリティ法案は、暗号資産業界が長く求めてきた制度整備を進める法案とされる。昨年に下院を通過したものの、今年は膠着状態が続き、審議日程は9月に持ち越されたという。足元の価格反発には、制度面の議論再開への期待も織り込まれたとの見方が出ている。
一方、オールデン氏は、ビットコインが不確実性から完全に脱したわけではないとも述べた。そのうえで、ビットコインのように保有比率の低い資産は、長期的には優位性を発揮する可能性があるとみている。
ビットコインは昨年10月に12万6080ドルの史上最高値を付けた後、2026年に入って弱含みの展開が続いてきた。市場資金がAI関連の技術株に向かったことに加え、米連邦準備制度理事会(Fed)が当面は利下げに動かない可能性を示唆し、リスク資産への選好が弱まったことが重しとなった。
市場では、今回の反発が短期的なテクニカルリバウンドにとどまるのか、それとも規制期待と需給改善を背景に戻り基調へつながるのかが次の焦点となっている。