RippleはXRP Ledger(XRPL)に機関投資家向けの融資機能を実装する方針だ。100億ドル(約1兆5000億円)を超える規模のグローバル私募クレジット市場を取り込む狙いがある。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが20日付で報じたところによると、RippleXの開発チームはClearpool Finance、Cicada Partnersと連携し、XRPLに機関投資家向け融資機能を追加する計画を明らかにした。
今回のスキームは、DeFi内の投機的な資金循環ではなく、実体経済の事業者への資金供給を主眼とする。運転資金需要のあるフィンテック企業や決済関連企業を借り手として想定し、トークン化された私募クレジット資金の一部をXRPLに呼び込む構想だ。
融資には、Rippleの規制対応型ステーブルコイン「RLUSD」を使う。RLUSDはニューヨーク州金融サービス局の監督下にあり、資産の保管はBank of New York Mellonが担うとしている。
融資プールの組成から貸し出し、返済までの中核プロセスはXRPL上で処理する。手数料の支払いやウォレット準備金の維持にはXRPが必要となるため、機能導入はXRPの実需拡大につながる可能性がある。
RippleXの開発チームは、今回の取り組みの主な狙いとして、ネットワーク活動の活性化とトークンの実用性拡大を挙げた。XRPL上で機関投資家向け融資が広がれば、XRPの用途も広がる可能性がある。
セキュリティ面では、外部スマートコントラクトに依存する従来型DeFiとの差別化を打ち出す。融資ロジックをプロトコルレベルで実装し、XRPLの「XLS-65」単一資産ボルトと「XLS-66」融資プロトコルの改定案を適用する予定だ。
機関資金の保護策も盛り込む。参加者の本人確認の枠組みと、資金の強制返還機能であるクローバックを適用する。Rippleは当該融資ファンドに財務保証人ではなく一般投資家として参加し、第三者機関と同等の権利とリスクを負うパリパス方式を採用する。
現在、Clearpoolは開発者ネットワーク上で融資機能に関する一連のユーザーシナリオを検証している。ただ、メインネットへの展開時期は決まっていない。実装には、独立したXRPLバリデーターがXLS-65とXLS-66の改定案を承認し、有効化する必要がある。
今後の焦点は、トークン化された私募クレジット資金が実際にXRPLへ流入するかどうか、そして機関投資家向け融資機能がXRPLのガバナンス承認を得られるかどうかにある。融資そのものはRLUSDで実行される一方、ネットワーク運用にはXRPが必要となるため、今回の機能追加がXRPLの金融インフラ拡大とXRPの実利用増加につながるかが注目される。