写真=ZEALSのヒューマノイドロボット「D1」

日本政府は2040年までに、国内でAIロボット1000万台の導入を目指す。高齢化と人口減少に伴う人手不足への対応策として、製造や物流、医療、介護など幅広い分野で活用を広げる方針だ。

TechRadarによると、政府はAIロボットの活用対象を18分野に広げる。このうち、製造、物流、建設、建築、小売、警備の6分野は、社会実証を先行して進める対象に位置付けた。

背景には、急速に進む人口減少がある。国連の中位推計では、日本の人口は2030年の約1億1958万人から、2040年には1億1216万人へ6.2%減少する見通し。2040年の年齢中央値は54歳、65歳以上の比率は35.3%に達すると予測されている。

企業による現場導入の動きも出始めている。東京のAI企業ZEALSはこのほど、車輪型ヒューマノイド「D1」を公開した。高さは約129センチで、案内や運搬業務を支援する。価格は500万円からで、2026年度内に100台を量産し、累計1万時間の現場稼働実績を確保する計画という。先月には、名古屋市のChuko Osu病院で、来訪者案内や運搬、食器整理など5業務の試験運用を実施した。

長野県のカクイチは2027年4月、中国Unitreeのヒューマノイド「G1」を「ミヤザワ・ノア」という新入社員として受け入れる計画だ。製造、営業、教育、安全管理など複数部門で業務を習得させる方針で、技術支援はPlay Roboticsが担う。

保険業界でも対応が進む。三井住友海上は、D1の導入過程で想定される対人・対物事故、サイバー攻撃、情報漏えいなどを補償する保険をZEALSと整えた。7月には、国産のフィジカルAI基盤モデルを開発するNoetraにも出資している。

日本では、AIロボットの普及を人手不足解消の有力策と位置付ける動きが強まっている。一方で、生産性向上やコスト削減の効果、安全性の確保については、今後の大規模導入の中で検証すべき課題として残る。

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