NVIDIAのジェンスン・フアンCEO(写真=Shutterstock)

NVIDIAが北欧で、自社GPUを確保した企業とデータセンター事業者を引き合わせるなど、AIインフラ案件の組成や契約支援にも関与していることが分かった。米CNBCが19日(現地時間)に報じた。

報道によると、NVIDIAは北欧でデータセンター容量の確保を目指す企業と現地事業者をつなぎ、案件を後押ししている。

こうした動きは、NVIDIAの影響力がAIチップの供給にとどまらず、インフラ整備全般へ広がっていることを示している。同社は高性能AIチップ市場で事実上の独占的地位を築いた後、ソフトウェアのエコシステムや各国政府との関係、他社投資に加え、データセンター案件の契約面にも関与を広げている。

複数の関係者によると、NVIDIAは北欧のデータセンター事業者に対し、潜在顧客の需要動向を探る動きも見せていた。演算能力の確保に向けた事前契約を結ぶ顧客の開拓を後押ししているという。関係者の1人は、こうした支援はGPU顧客向けの価値提案の一環であり、事業者への打診時にも具体的な顧客名を明かさないケースが多いと述べた。

別の関係者は、米国やアジアでGPUを確保した企業とAIインフラ構築企業を結び付けた事例もあったと語った。GPU需要があり、資金力も備えた企業が、実際のデータセンタースペースまで確保できるよう支援しているという。

NVIDIAのコレット・クレスCFOも6月、こうした役割の一端を認めている。同氏は、企業間の橋渡しに「明確に関与した」とした上で、顧客が必要とする計算基盤をできるだけ早く整備できるよう、「土地、電力、建物」の確保をどう支援できるか検討していると明らかにした。

北欧は近年、AIデータセンターの有力立地として急速に注目を集めている。電力へのアクセスが良好で利用可能な土地が広いうえ、冷涼な気候がチップの発熱対策に適しているためだ。こうした条件を背景に、今後数年でギガワット級のデータセンター容量が新設される見通しだ。

2026年に入ってからは、NebiusやMicrosoft(MS)などのネオクラウド企業やハイパースケーラーが北欧で相次ぎ契約を結んでいる。直近数カ月では、フィンランドとノルウェーで数百メガワット(MW)規模の施設計画が続いて公表された。

Pure DCは7月、フィンランドで110MW規模のキャンパス建設に15億ユーロを投じると発表し、将来的には550MW超まで拡張する可能性も示した。Arcemは最大500MW規模の用地を計画中で、Nebiusは3月、フィンランドに欧州最大級の「AIファクトリー」の1つを建設する計画を公表した。MSも4月、ノルウェーのNscale拠点で追加の計算容量を確保すると発表している。

一方、送電網への接続待ちも少なくない。ノルウェーの送電網運用会社Statnettによると、接続を待つデータセンター容量は合計2.3ギガワット(GW)に達する。Savillsは今月公表した報告書で、オスロ、ストックホルム、ヘルシンキを世界のデータセンター開発ポテンシャル上位6地域に含めた。

SavillsのEMEAデータセンターアドバイザリー部門副責任者、ルパート・ダックワース氏は同報告書で、「AI主導のデータセンター成長という観点で、北欧は世界でも最も供給条件が明確な地域の1つだ」と指摘し、「大規模なAI中心のキャンパス開発が本格化している」と評価した。

こうした流れの中で、NVIDIAの役割はチップ販売の枠を超えつつある。同社は通常、OEMにチップを販売し、OEM各社がサーバーやラックに組み込んで最終顧客へ供給する。一方で、最終的な購入企業とも直接関係を築いており、AI需要とデータセンター容量を結び付ける立場にもあることが浮き彫りになった。

キーワード

#NVIDIA #GPU #AI #データセンター #北欧 #AIインフラ
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.