ウクライナのロボット企業Temerlandは、最大積載量210kgの無人地上車両(UGV)「Gnom L2」を発表した。不整地での走行に対応し、弾薬や装備などの重量物を前線へ運ぶことで、補給時に兵員が危険にさらされる機会を減らす狙いがある。
TechRadarが現地時間19日に報じたところによると、Gnom L2は重量物の輸送向けに開発されたUGVだ。
最大積載量は210kg、最高速度は時速12km。満充電で最大50km走行できる大容量バッテリーを備える。重量物を安定して運ぶため、貨物バスケットも強化した。
足回りには車輪と履帯を組み合わせた構造を採用した。未舗装路を含む不整地でも貨物を運べるよう設計しており、Temerlandは難地形でも相応の重量を搬送できる車両だと説明している。
ただ、Gnom L2は完全自律型ではない。専用のHotRC機器を使った遠隔操作を前提としており、車両自身が経路を判断して走行する自律制御機能は備えていない。AIで自律走行する軍用ロボットというより、遠隔操縦の無人補給車両に位置付けられる。
主な目的は、前線補給に伴う兵員の危険低減にある。弾薬や装備といった重量物の搬送をロボットに置き換えることで、兵士が危険地域を往復する回数を減らせるためだ。反復的な補給任務を無人化できれば、人員負担の軽減にもつながる。
一方で、実運用には不確定要素も多い。実際の走行距離は積載重量や地形に左右される可能性があるほか、遠隔操作に必要な通信が途絶した場合や、電子戦環境下でどこまで運用できるかは現時点で不明だ。
Gnom L2は現在、現場評価の段階にある。公表済みの仕様は今後の試験で変わる可能性があり、生産規模や価格、実際の配備台数、戦闘運用の結果なども明らかになっていない。
TemerlandはGnom L2以外にも、複数の任務に対応するGnomシリーズを展開している。偵察向けの「Gnom ND-Recon」にはカメラ6台と高感度マイク6基を搭載し、有線ドローンや充電ステーションを組み合わせた運用にも対応する。
このほか、ロボットアームを備えた派生モデルも開発中だ。負傷者の後送や地雷除去、工兵作業への活用を目指しており、単一のロボットプラットフォームを基盤に、補給から偵察、後送、工兵用途まで展開する戦略とみられる。
Gnom L2の実力は、公表された最高速度や積載量だけでは測れない。実際の戦場環境で反復的な補給任務をどこまで安定して遂行できるかが、導入効果を左右することになりそうだ。今後は不整地での走破性、通信の安定性、電子戦への耐性、バッテリーの持続時間、量産能力などが検証対象となる。現時点では、実戦投入の有無やその規模も固まっていない。