ドナルド・トランプ米大統領は20日、分散型デリバティブ取引プラットフォーム「Hyperliquid」について、米国内での合法的な運営に向けた作業が進んでいると明らかにした。これまで米国ユーザーの利用を制限してきた同プラットフォームが、米規制の枠組みの中で事業展開する可能性が浮上し、暗号資産デリバティブ市場の制度化に注目が集まっている。
ブロックチェーンメディア「The Defiant」によると、トランプ大統領は最近の発言で、商品先物取引委員会(CFTC)委員長のマイケル・セリグ氏が、Hyperliquidの米国展開に向けた対応を進めていると述べた。
トランプ大統領は、Hyperliquidの米市場参入は「完全に規則を順守し、合法的な形」で実現すると強調した。米国向けサービスを遮断してきた暗号資産デリバティブのプラットフォームについて、ホワイトハウスと規制当局のトップが直接言及した点が市場の関心を集めている。
Hyperliquidは現在、米国のトレーダーによる利用に地域制限を設けている。主力商品である無期限先物は、暗号資産の現物取引に比べて規制の影響を受けやすい分野とされる。
このため、同社が米市場に正式参入する場合、既存のプラットフォーム構造をそのまま維持するのではなく、米国の規制に対応した別個の事業・運営体制を整える可能性が高い。
トランプ大統領が、マイケル・セリグCFTC委員長によるHyperliquidの米国導入への関与に直接言及したことで、単なる業界内の観測を超え、規制当局レベルで制度面の受け皿が検討されている可能性も意識され始めている。
トランプ大統領が合法性と規制順守を強調したことから、米国内でサービス提供を進める場合には、顧客確認、取扱商品、プラットフォームの運営方式、法的認可のあり方が主要な論点になる見通しだ。
Hyperliquidにとっても、米市場進出の意義は大きい。米国は暗号資産市場における流動性と機関投資家需要が集まる中核市場だからだ。
実際に米国内のオンショア体制を構築することになれば、アクセス方法から取扱商品、規制順守の体制まで、運営全般に変化が及ぶ可能性がある。
今回の議論は、Hyperliquidだけにとどまらない可能性もある。米国で暗号資産デリバティブを提供するには、現物取引以上に複雑な規制要件を満たす必要があり、同社の進出スキームが他の海外デリバティブプラットフォームの参入ルートにも影響を与え得るためだ。
分散型の仕組みを軸に成長してきたプラットフォームが、米国の規制体制に合わせて事業モデルを調整することになれば、「分散型金融と米国規制の接点」を示す事例になる可能性がある。
もっとも、現時点で確認されているのは、米国内での合法運営に向けた作業が進んでいるというトランプ大統領の発言と、その過程にCFTCトップが関与しているとの説明にとどまる。具体的な認可の方式や米国でのサービス開始時期、プラットフォーム構造を変更するかどうかは明らかになっていない。
今後、実際の手続きが本格化すれば、Hyperliquidがどのような形で米市場に参入するのか、また米規制当局が無期限先物と分散型取引プラットフォームをどの基準で制度の枠内に取り込むのかが焦点となる。