ドローンとポケットジンバルカメラの2役を1台でこなす「Versa」。写真=HoverAir

HoverAirは、ドローンとポケットジンバルカメラを一体化した新製品「Versa」を公開した。米連邦通信委員会(FCC)の認証も取得しており、米国市場での販売に向けた準備を進めている。

米TechRadarが8月19日(現地時間)に報じた。Versaは、空撮用ドローンとして使えるだけでなく、機体の一部を分離することでポケットジンバルカメラとしても利用できる2in1モデル。HoverAirは、世界初のポケットジンバルカメラ兼ドローンとうたっている。

外観は同社の既存「X1」シリーズに近いが、分離式設計を採用した点が大きな違いだ。空中で被写体を追尾して撮影し、その後は手持ちのジンバルカメラとして日常の映像を記録するなど、1台で異なる撮影スタイルに対応する。

HoverAirはこれまで、手のひらから離着陸できる自律飛行ドローン「X1」をはじめ、8K撮影対応の「X1 Pro」、防水性を強化した「Aqua」などを展開してきた。Versaは、こうした製品群をさらに広げる新モデルとなる。

撮影機能では、1/1.3型センサーを搭載し、最大4K/60fpsの動画撮影に対応する。4K HDRは30fps、10ビット記録に対応し、最大17.5EVのダイナミックレンジとうたう。静止画は1200万画素で撮影できる。

飛行機能は自撮りやVlog用途を意識した構成とした。手のひらでの離着陸に対応するほか、AIによる被写体追尾、自動フレーミング、バードアイ飛行、音声操作やジェスチャー操作を備える。

スマートフォンや同社の「Beacon」と接続し、音声を録音することも可能だ。最大飛行時間は14分、最高速度は36km/h。耐風性能はレベル5としている。

携帯性も重視した。ドローン形態での重量は230gで、プロペラガードを外してポケットジンバルカメラとして使う場合は163gになる。本体には1.64インチの回転式OLEDハプティックディスプレイを搭載し、最大輝度は800ニトとした。

FCC認証を取得したことで、米国市場への投入にも弾みがつきそうだ。一方、競合のDJIは米国での新製品販売を巡り、規制面の不透明感が続いているという。

HoverAirは、9月4日から8日までドイツ・ベルリンで開催される「IFA 2026」でもVersaを展示する。18日にはクラウドファンディングサイトのIndiegogoで製品を公開した。価格は本体単品が499ドル(約7万4850円)、「Fly More Combo」が887ドル(約13万3050円)、「Creator Combo」が1270ドル(約19万500円)。公開後24時間はアーリーバッカー向けの割引価格を適用する。

もっとも、価格面では課題も残る。DJIは「Neo」や「Neo 2」など比較的安価な小型ドローンを投入しており、Versaが価格だけで競争するのは容易ではない。

Versaの訴求点は、ドローンとジンバルカメラを別々に持ち歩かず、1台で空撮と手持ち撮影の両方をこなせる点にある。こうした一体型の使い勝手が、どこまで需要を取り込めるかが普及の鍵となりそうだ。

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