DeepXとDoosan Roboticsは10月6日、原発機器の製造現場向けに知能型溶接ロボットソリューションを共同開発すると発表した。ビジョンAIと協働ロボットを組み合わせ、溶接工程の自動化と知能化を進める。
開発するソリューションでは、AIが溶接対象物と溶接経路を認識して補正する。あわせて、溶接中に取得したビジョンデータや熱画像データを解析し、溶接状態や異常の有無を判定する。
両社はこうした機能を協働ロボットに実装し、実際の製造現場で活用できる形に仕上げる方針だ。Doosan Roboticsはコンソーシアム全体の統括に加え、システム統合アーキテクチャの設計を担う。
このほか、協働ロボット向け溶接セル、微小変位補正AI、リアルタイム溶接機制御技術も開発する。
DeepXは、自社NPUをベースとするオンデバイスのエッジAI装置とソフトウェア開発キット(SDK)を開発する。3チャネルのビジョンデータパイプライン構築、ロボットコントローラーとの連携、熱画像解析AIモデルの開発も担当する。
溶接環境における耐環境性の検証と信頼性認証の支援も、DeepXが受け持つ。
Sageは、3Dビジョンを活用した溶接対象物の認識と経路補正を担当する。両社はSage、国立昌原大学校産学協力団を含む4機関で、7月21日に業務協約(MOU)を締結した。
Sageは溶接ビードの異常検知AIモデルも開発する。国立昌原大学校産学協力団は、AIベースの溶接経路生成と、物理法則ベースのデジタルツイン技術を担う。
4機関は各社・各機関の技術を1つの溶接システムに統合する予定だ。プロジェクト期間中は、Doosan Enerbilityの原発機器製造現場で段階的に実証を進める。
スケジュールとしては、2029年に原発機器の品質検証を完了し、2030年の事業化を目指す。
DeepXの関係者は「今回のプロジェクトは、超低消費電力のAI半導体をロボットと組み合わせ、実際の製造現場で活用するフィジカルAIの具体的な適用事例になる」とコメントした。
その上で「DeepXのNPUとオンデバイスAI技術を基盤に、製造現場で求められるAI演算を効率よく処理し、安定稼働できるAIコンピューティング環境の構築に貢献したい」としている。
Doosan Roboticsの関係者は「今回の協力を通じて、Doosan Roboticsの協働ロボット技術と参加機関のAI技術を組み合わせ、製造現場で実用可能な知能型溶接ソリューションを開発する計画だ」と説明した。
さらに「熟練人材の不足など、製造現場が直面する課題の解決と、溶接工程の自動化・知能化の拡大に貢献したい」と述べた。