LG Electronicsは10月6日、Renault Groupの商用SDV(ソフトウェア定義型車両)「New Traffic E-Tech Electric」向けに、統合コックピットソリューションを供給すると発表した。
同ソリューションは、運転席周辺の計器盤と中央情報ディスプレイを統合的に制御するもの。表示系を一体化することで、車両設計の簡素化やコスト低減を図る。
コックピットは、計器盤やセンターディスプレイなど運転席周辺の情報表示領域を指す。従来の車両では、コックピットや運転支援、パワートレインなどの機能ごとに、車載部品を制御する電子制御ユニット(ECU)を数十個単位で搭載してきた。
これに対しSDVは、高性能コンピューターと集中型ソフトウェアアーキテクチャにより、こうした機能を一括して制御する。無線によるソフトウェアアップデートを通じ、AIベースの機能を出荷後も継続的に追加できる点が特徴だ。今回のソリューションも、こうしたSDV向けの構成を前提に開発した。
計器盤システムは速度やエンジン回転数(RPM)、警告灯などの走行情報を表示し、インフォテインメントシステムはナビゲーションやメディア再生を担う。LG Electronicsによると、従来は個別に表示していた情報を単一のUX/UIで統合し、視認性を高めた。自動車メーカーにとっては、部品点数の削減や設計の簡素化によって、開発・生産の効率化にもつながるとしている。
LG Electronicsは、テレビや家電、モバイル事業で培った製造技術やUX/UIのノウハウを、車載用計器盤やインフォテインメント分野に展開してきた。両分野で積み上げてきた供給実績が、今回の統合コックピット開発につながったとしている。
Renault Groupとの協業実績もある。LG Electronicsは2014年、2017年、2020年に同グループの優秀サプライヤーに選定され、2021年にはAndroidベースの車載インフォテインメントシステムを共同開発した。
今後はRenault Groupに加え、北米やアジアを含む世界の主要完成車メーカーとの協力拡大を進める方針だ。拡大が続くSDV向け車載電装市場で、サプライヤーとしての地位確立を目指す。
LG ElectronicsのVS事業本部長は「Renault Groupをはじめとする世界の完成車メーカーとの緊密な協力を基盤に、モビリティ産業のSDV転換に必要な中核技術とソリューションを継続的に高度化していく」とコメントした。