ビットコインが6万9000ドル台を回復する中、Standard Charteredは、米財務省による長期国債の買い戻し拡大を追い風に、年内に10万ドル(約1500万円)まで上昇する可能性があるとの見方を示した。
ブロックチェーンメディアのCointelegraphによると、Standard Charteredのアナリスト、ジェフ・ケンドリック氏は19日、米財務省が進める長期国債の買い戻し拡大が市場流動性を改善し、ビットコイン相場を押し上げる可能性があると指摘した。
ケンドリック氏は、ビットコインの重要な節目として6万5500ドルを挙げた。この水準を上回って推移すれば、このサイクルの安値をすでに付けた可能性を示すサインになると分析した。その上で、投資家は年内の10万ドルを視野に入れた上昇局面に備えるべきだと述べた。
こうした見方の背景にあるのが、米財務省による長期国債の買い戻し拡大だ。対象は10〜20年債と20〜30年債の名目クーポン債で、1回当たりの買い戻し額を20億ドル(約3000億円)から40億ドル超(約6000億円超)へ引き上げる方針という。拡大後のプログラムは9月9日から11月4日まで実施する予定だ。
発表を受けて米長期国債利回りは大きく低下した。先行して進んでいた急速な債券売りで高まっていた市場の重荷が、いくぶん和らいだ形だ。
ケンドリック氏は、この措置がビットコインにとってプラスに働く可能性があるとみる。長期国債市場の流動性が高まり、利回りの上昇圧力が和らげば、投資家のリスク選好が戻る余地があるためだ。さらに、政府が流動性を供給する局面ではビットコインが底堅く推移してきたことや、供給量に限りがあることから、通貨価値の希薄化に対するヘッジ手段として意識されやすいとの見方も示した。
市場はすでに反応を見せている。ビットコインは6万9000ドル台を回復し、6月上旬以来の高水準まで上昇した。流動性環境の改善期待に加え、4年サイクル上の安値圏に接近したとの見方も重なり、強気相場への転換期待が再び強まっている。
ビットコインは金利や流動性の変化に敏感に反応しやすいだけに、今後は米長期金利の動向が相場の主要な変数となりそうだ。市場の焦点は、ビットコインが6万5500ドルを上回って定着できるか、また米財務省の買い戻し拡大が実際に長期金利の負担をどこまで和らげるかに移っている。両条件がそろえば、ケンドリック氏が示した年内10万ドルシナリオへの期待は一段と高まりそうだ。