Bitcoin市場で取引量と流動性の低下が続き、オンチェーン活動も大きく鈍化している。Bitfinexは、足元の市場が事実上の「無関心相場」に入ったと分析した。
CoinPostが18日(現地時間)に伝えたところによると、Bitfinexはオンチェーンデータとマクロ経済指標を踏まえたレポートを公表し、Bitcoin市場の停滞感が一段と強まっていると指摘した。
Bitfinexによれば、取引所の現物取引量をBitcoin建てで換算した指標は、2019年以降で最低水準まで低下した。取引所全体の集計には、Binanceが2022年に実施した手数料無料化の影響が一部含まれる可能性があるものの、Binance単体でみても取引量は2023年の弱気相場時と同程度まで縮小したという。
Bitcoinの移転の活発さを示す回転率も、7年ぶりの低水準を記録した。既存保有者の資産移動が乏しく、新規売買も盛り上がりを欠いており、市場の関心低下を示すシグナルだとみている。
価格面では、Bitcoinは狭いレンジ内で推移し、方向感を欠く展開が続いている。Bitfinexは、市場参加者の平均取得コストを反映する実現価格5万2699ドルを下値の目安、短期保有者の実現価格6万7176ドルを上値の抵抗として示した。
直近2週間は6万3200ドル近辺が下値支持として機能してきたが、この水準を割り込めば、5万7803ドル前後まで下押しする可能性があるとみている。
株式市場が最高値を更新する一方、Bitcoinが伸び悩む背景については、金利見通しに対する資産ごとの反応の違いを挙げた。米連邦準備制度理事会(Fed)の利下げ観測は、将来のキャッシュフロー価値に敏感な株式市場には素早く織り込まれたが、Bitcoinには同程度の追い風とならなかったという。
マクロ環境もBitcoinに明確な方向感を与えていない。7月の消費者物価指数(CPI)はエネルギー価格の下落を受けて全体では安定した一方、コアインフレ率は2.5%と、Fed目標の2%を上回った。
サービス価格も前年比3.0%上昇しており、Fedは今後も雇用と物価の動向を見極める必要があるとの見方を示した。
物価の伸びが鈍化しても、実質平均賃金は前年比0.2%減少し、家計マインドも弱含んだ。消費余力が低下すれば、Bitcoinを含むリスク資産に向かう資金も制約を受ける可能性がある。
一方でBitfinexは、取引量と流動性がそろって大きく落ち込んだ状態が長く続くケースは多くないと指摘した。過去には市場が極端に静まり返った後、価格変動率が急拡大した例もあり、今後の分岐点は利下げ期待そのものではなく、実際に資金が市場へ流入するかどうかだと説明した。
上昇基調を取り戻すには、Bitcoin現物ETFへの純資金流入とステーブルコイン供給の拡大が同時に進む必要があるとした。取引が細る局面では、市場流動性が回復しない限り、力強い反発も限定的になりやすいという。
今後の流動性を見極める材料としては、8月下旬のジャクソンホール会議でのFed議長発言と、連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を挙げた。当面のBitcoin市場では、値動きそのものよりも、取引量の回復と実需に基づく資金流入の有無が、相場の方向性を判断するうえで重要な指標になる見通しだ。