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Circleのユーロ連動ステーブルコイン「EURC」の流通量が、発行開始から4年で4億ユーロを超えた。MiCA対応を進めたことに加え、VisaやMastercardなど既存の決済ネットワークとの連携拡大も追い風となり、ユーロ建てステーブルコインへの関心が高まっている。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanによると、ドル建てステーブルコインが依然として市場の中心を占める一方で、機関投資家や決済事業者、開発者の間では、ユーロをオンチェーンで保管・送金する需要が広がっている。

もっとも、市場全体に占めるユーロ建てステーブルコインの規模はなお小さい。国際決済銀行(BIS)が2026年5月に公表した報告書では、ステーブルコイン全体の価値の約98%がドル建てだった。2026年半ば時点のユーロ連動ステーブルコイン市場は約9億ドルで、世界のステーブルコイン市場全体の約3000億ドルに対し1%未満にとどまる。

その中で、EURCはユーロ建てステーブルコインとして成長を加速させている。2022年6月にEthereum上で立ち上げた後、Avalanche、Stellar、Solana、Baseへと対応ネットワークを広げた。

2024年12月時点では、5つのブロックチェーン上で流通するEURCの供給量は約8000万ユーロに達していた。その後は増勢が強まり、Circleによると、2025年上期に供給量は2倍となり、直近12カ月では100%超増加した。

Circleは4億ユーロ突破を重要な節目と位置付けている。CircleでEU戦略政策シニアディレクターを務めるパトリック・ハンセン氏は、EURCの流通量が初めて4億ユーロを超えたと明らかにし、MiCA施行初期と比べて10倍超の成長になったと説明した。

急成長が続く一方で、ドル建てステーブルコインとの差はなお大きい。ユーロ建てトークンはこれまで、決済の過程でドル連動ステーブルコインを経由する必要があったほか、オンチェーン流動性の不足が利用拡大の制約となってきた。

ブロックチェーン間で資産を移す際にブリッジを利用する場合、追加のセキュリティリスクや運用上の煩雑さが伴う点も課題だった。

こうした環境の変化を後押ししたのが、EUのMiCA(暗号資産市場規則)だ。MiCAは準備資産、情報開示、ガバナンス、償還に関する基準を整備しており、CircleはEURCを電子マネートークンとして運用している。

EURCはフランスの電子マネー機関を通じて発行され、準備資産は分別管理されている。運用全般はフランス健全性監督破綻処理機構(ACPR)の監督を受ける。

既存の決済ネットワークとの連携も広がっている。VisaとMastercardはEURCを含むステーブルコイン決済機能の拡充を進めており、決済事業者のThunesはEthereum、Solana、Base、Stellar上でEURCの事前入金機能を追加した。

これにより利用者は、銀行営業時間やドルへの両替手続きを経ることなく、ユーロ建ての取引を処理しやすくなった。

オンチェーンデータでも、非ドル建てステーブルコインの成長が確認されている。Duneの集計によると、2026年2月までに現地通貨建てステーブルコインの取引規模は約90%増え、12億ドルに達した。

伸び率はドル建てトークンを上回り、このうちユーロ建てステーブルコインが時価総額の80%以上、総取引量の85%を占めた。

EURCの月間処理額も100億〜200億ドル規模に達した。非ドル建てステーブルコインを利用するユニークアドレス数は、2023年1月の約4万から2026年2月初旬には120万超へ増えており、利用基盤の拡大も鮮明になっている。

一方、Tetherは欧州規制に合わせてEURT事業を継続するのではなく、同ユーロ建てステーブルコインのサポートを終了した。ユーロ建てステーブルコイン市場では、競争軸が単なる発行規模だけでなく、規制要件への適合や既存決済網への浸透度へ移りつつあることを示している。

EURCの流通量が4億ユーロを超えたとはいえ、直ちにドル中心のステーブルコイン市場の構図を揺るがす規模ではない。ただ、規制基盤と決済インフラの整備が進む中で、ユーロも独自のオンチェーン経済圏を広げ始めている。今後、ユーロ建てステーブルコインがドル偏重の市場でどこまでシェアを伸ばせるかが焦点となる。

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