イーサリアム共同創業者のビタリック・ブテリン氏が、次世代の拡張設計としてUTXO的な要素の導入を検討していると説明した。これに対し、Cardano創業者のチャールズ・ホスキンソン氏が反応し、Cardanoが採用するEUTXOとの類似性を巡って波紋が広がっている。
ブロックチェーンメディアのDecryptが18日(現地時間)に報じたところによると、ホスキンソン氏は関連報道を受け、顔を覆って笑うGIFを投稿し、ブテリン氏の発言に反応した。
発端となったのは、イーサリアムの次世代拡張アーキテクチャを巡る議論だ。ブテリン氏は、将来の拡張に向けて、従来のアカウントベースモデルにUTXO型の状態管理や動的な状態要素を組み合わせる案を検討していると説明した。あわせて、Utreexoのような概念については、ビットコイン開発者が切り開いたアイデアだと評価した。
イーサリアムは現在、アカウントベースモデルを採用している。一方、ビットコインはUTXO(Unspent Transaction Output)モデルを基盤とする。UTXOでは、未使用の取引アウトプットごとに資産が管理される。
Cardanoは、ビットコインのUTXO構造をスマートコントラクト向けに拡張したEUTXO(Extended UTXO)モデルを採用している。Cardano陣営は、イーサリアムがアカウントモデルを維持しながらUTXOの特性を取り込もうとする動きについて、自らが以前から進めてきた設計思想に近いとみている。
ホスキンソン氏は以前からこの点を問題視してきた。7月には、イーサリアム財団がネイティブなUTXO方式の決済設計を検討する研究提案を示したとして、イーサリアム開発陣を批判。当時も、イーサリアムがCardanoのEUTXOに近い方向へ移りつつある一方で、Cardanoが積み上げてきた研究開発の成果を十分に認めていないとの主張を展開していた。
Cardanoコミュニティでも同様の反応が出ている。一部のユーザーは、ブテリン氏の発言をUTXOベース設計の利点を間接的に認めたものだと受け止めた。UTXO型の構造は、ブロックチェーンの拡張性を高めながら、分散性やノード運用のしやすさを維持するうえで有効になり得るという見方だ。
Algorand財団の広報大使を務めるリリー・ブロディ氏も、この論争に加わった。同氏は、イーサリアムが検討している構造について「文字通りCardanoだ」との趣旨の発言し、両ブロックチェーンの設計上の近さを強調した。
もっとも、UTXOやEUTXOは、イーサリアムがそのまま導入しようとしている技術と同一ではない。ビットコインのUTXOモデルとCardanoのEUTXOでは、取引処理やスマートコントラクト実行の方式が異なる。イーサリアムも、従来のアカウントモデルを全面的に捨てるのではなく、一部にUTXO的な特性を組み合わせる方向で検討している。
今回の論争は、単なる応酬にとどまらない。各ブロックチェーンが次世代の拡張性をどの方式で確保するのかという設計競争の側面もある。ビットコインはUTXOを基盤に成長し、Cardanoはそれをスマートコントラクト環境向けにEUTXOへ発展させた。イーサリアムはアカウントベースモデルの上で、スマートコントラクトと分散型アプリケーションのエコシステムを拡大してきた。
今後の焦点は、イーサリアムがUTXO的な要素を実際のプロトコルにどこまで取り込むかにある。今回のやり取りを通じて、拡張アーキテクチャを巡る技術競争に加え、各プロジェクトの設計思想や技術的貢献をどう評価するかという対立も改めて浮き彫りになった。