ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインが6万4500ドル台まで反発し、ショートポジションの清算が約1カ月ぶりの高水準に達した。ただ、今回の上昇は現物買いの回復ではなく、デリバティブ市場で膨らんだショートの巻き戻しが主因との見方が強く、上昇の持続性にはなお不透明感が残る。

Cointelegraphが18日付の記事で報じたところによると、今回の反発は現物需要よりも、デリバティブ市場でのショートスクイーズの影響が大きかった。

ビットコインは週足確定後に上げ幅を広げ、一時6万4600ドル台まで上昇した。上昇率は一時約3%。この日のショート清算は637BTCに達し、7月21日以来の高水準となった。

反発直前のビットコインは6万2750ドル前後で推移していた。先物市場ではこの水準で取引所ごとのファンディングレートのばらつきが広がり始めた。Binance、Bybit、OKX、Deribitなど主要な暗号資産取引プラットフォームではショート優勢の地合いが強まり、HTXのファンディングレートは一時0.05%まで上昇した。

オンチェーン分析会社のCryptoQuantは、こうしたポジションの偏りが相場反発の直接のきっかけになったと分析した。ショートへの偏重が主な材料となり、ショートスクイーズが価格を押し上げたという。ファンディングレートは、ビットコインのデリバティブ市場でロングとショートの間でやり取りされる資金調整率を指す。取引所間の乖離が大きいほど、ポジションの不均衡が広がっていたとみられる。

一方で、この急伸をトレンド転換とみるのは早計だとの見方もある。CryptoQuantは今回の動きを「商いの薄い局面で生じた流動性トラップ」と位置付けた。出来高が十分でない中でショートが積み上がり、買い戻しによって価格が急伸したため、現物需要が伴わなければ上昇は長続きしにくいという見立てだ。

実際、足元の相場で重荷となっているのは現物需要の弱さだ。現行の価格帯では先物市場が売買高の大半を占め、現物投資家は総じて積極姿勢を欠く。ビットコイン現物ETFへの資金流入も明確ではない。反発が続いたとしても、新規資金の流入が伴わなければ、一段高につながる勢いは限られる可能性が高い。

下値リスクもくすぶる。CryptoQuantは「ビットコインが再び6万ドルを割り込み、取引所への流入が増えれば、5万ドル方向への下方リスクが高まる可能性がある」と指摘。「売り圧力は弱まったが、依然として需要増加が必要だ」との見方も示した。価格が支持線を下抜けるのと同時に取引所への入金が増えれば、潜在的な売り圧力が強まるとの警戒感がある。

足元でレンジ相場が続く背景としては、直近の買い手が含み損を抱えていることも挙げられる。保有期間155日未満の短期保有者の平均取得単価は6万8700ドル水準で、現在の相場ではこの価格帯がレジスタンスとして機能している。含み損を抱えた短期保有者が、反発局面で戻り売りに動く可能性があるためだ。

今後の焦点は大きく2つある。1つは、取引所全体でショートポジションの積み上がりとファンディングレートの再低下が進む中、追加のショートスクイーズが再び起きるかどうか。もう1つは、ビットコイン現物ETFへの資金流入と現物買いが実際に回復するかどうかだ。短期的な急騰だけでは相場の方向転換を確認しにくく、現物需要の回復を伴って初めて、今回の反発の持続性が試されることになる。

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