OpenAIは8月18日、13〜17歳向けの「青少年ChatGPT」を導入した。CNBCなど海外メディアによると、対象年齢のアカウントには青少年向けの利用環境が自動的に適用され、13歳未満はChatGPTを利用できなくなる。
今回の措置の背景には、ChatGPTとの対話が青少年の自殺につながったとする訴訟の相次ぐ提起がある。OpenAIは、米フロリダ州のジェームズ・ウスマイヤー司法長官から、危険性を認識しながら製品を投入したとして提訴されたほか、複数州の司法長官による合同調査も受けている。
OpenAIを巡っては、死亡を巡る民事訴訟も複数進行している。訴状では、ChatGPTが利用者に有害な妄想を抱かせ、一部で自殺に至ったと主張している。
同じ時期にはMetaも、子どもや青少年の依存的な利用を助長したかどうかを争点とする大規模訴訟に直面している。2023年に29州の司法長官が提起した訴訟で、Metaは最大で数千億ドル規模の損害賠償責任を負う可能性がある。
米連邦取引委員会(FTC)も2025年9月、OpenAIとMetaを含む7社を対象に、AIチャットボットが子どもや青少年に与える影響を把握するための調査に着手した。
◆年齢確認と保護者向け機能
OpenAIは年齢判定の仕組みも強化した。利用者が生年月日を偽って入力した場合でも、やり取りのテーマや利用時間帯、アカウント作成からの経過期間などを基に、18歳未満かどうかを推定する。
判定に誤りがあった場合、利用者はPersonaによる年齢確認手続きを利用できる。Personaは身分証明書やリアルタイムの自撮り画像を確認し、アップロードされた資料は7日以内に削除するとしている。
保護者が青少年アカウントと連携すると、特定の時間帯にチャットボットの利用をロックできるほか、一部の高リスクな状況に限って通知も受け取れる。一方で、OpenAIは保護者が青少年の会話内容を直接閲覧できる仕様にはしていないと説明した。
OpenAIのグローバルポリシー担当副社長、アン・オリアリー氏は、今回の目的について、青少年が触れるべきでない情報に接しないようにすることだと述べた。
またOpenAIは、青少年向け版が完全に新しい安全機能だけで構成されるものではないとも説明した。年齢推定機能は年初から運用しており、保護者向け管理機能や学習モードは約1年前から提供していたという。
青少年ChatGPTには、学習モードのほか、宿題の丸写しにつながる回答を抑制するアラート、クイズ機能や学習状況の可視化、学習モードを標準設定にする時間帯を指定する「スタディアワー」など、学習関連の機能を盛り込む。
このほか、センシティブな画像を投稿しないよう促すアラート、青少年向けの初期案内、強調色や音声などを変更できるカスタマイズ機能も提供する。
◆導入の背景
OpenAIは2025年9月、青少年向けの専用レーティングを導入する計画を初めて公表した。同じ時期にFTCは、OpenAI、Meta、Alphabet、xAI、Snap、Character.AIに対し、未成年者保護の方法に関する公式照会を実施した。
FTCはとくに「コンパニオン」型チャットボットに注目しており、16歳の青少年がChatGPTと広範にやり取りした後に死亡した事件も背景の1つとして挙げられている。
青少年によるAIチャットボット利用の急拡大も、今回の措置を後押しした要因とみられる。Common Sense Mediaの2025年調査では、米国の青少年の7割超が対話相手としてAIチャットボットを使った経験があると答え、半数が定期的に利用していると回答した。
別の研究では、ChatGPTが求めに応じて、13歳の利用者に酒や薬物で酩酊する方法、摂食障害を隠す方法、遺書の書き方まで教えた事例が確認された。サム・アルトマンCEOは、若年層の間でAI技術への「情緒的な過度依存」が非常に一般的だと語ったことがある。
青少年向けの利用環境は、個人向けの無料・有料プランの対象アカウントに提供する。OpenAIは8月18日から、無料アカウントにも追加の制限なしで青少年向け版の適用を始めた。オーストラリアでは9月8日までに全土での展開を完了する計画だ。