政府が若年層の住宅購入を後押しする新たな政策ローン「青年未来住宅ローン」を2027年1月に導入する。年間供給枠は3兆ウォン。非マンションで4億ウォン以下の住宅に対象を絞り、LTVを最大80%まで認める内容だが、若年層の住宅購入がマンションに偏っている実態を踏まえると、政策効果は限定的との見方が出ている。
金融業界によると、政府は13日に公表した不動産金融対策で、青年未来住宅ローンの導入方針を明らかにした。
対象は、生涯初の住宅購入となる39歳以下で、年収7000万ウォン以下の人。4億ウォン以下、専有面積85平方メートル以下の非マンションを購入する場合、LTVを最大80%まで適用する。供給規模は年3兆ウォンで、2年間の時限措置とする。
制度設計の背景には、賃料として支出している住居費を資産形成につなげたいとの狙いがある。金融委員会が示した試算では、2億ウォンを返済期間30年、年3.0%で借り入れた場合の毎月返済額は約85万ウォンとなり、非マンションの平均月額家賃80万ウォンと大きく変わらない。
金融委員会は14日の追加説明で、一般の住宅ローンより約2ポイント低い金利の適用を暫定的に検討していることも明らかにした。
ただ、実際の若年層の購入動向を見ると、政府の想定どおり非マンション需要が広がるかは不透明だ。
昨年、39歳以下向けに供給された住宅ローンは12兆ウォン規模だった。このうちマンション購入に使われた金額は11兆6000億ウォンで、全体の97%を占めた。政策ローンを利用して実際に住宅を購入した若年層の大半が、マンションを選んでいたことになる。
◆マンション志向が鮮明、専門家は対象拡大を提言
専門家は、若年層の選択肢を増やすという政策の方向性自体は評価しつつも、非マンションかつ4億ウォン以下に支援対象を限った点が実効性を下げかねないとみている。
不動産経済研究所のキム・インマン所長は、「ないよりはあった方がよく、メリットを一つ加えるという点は前向きに評価できる」としたうえで、「大きな効果があるかといえば、非マンションに限定したぶん効果は限られる可能性がある」と述べた。再開発を見込んだビラ購入など一部の需要には有効でも、制度設計はより幅広くする必要があるとの見方だ。
キム所長は特に、住宅の種類を非マンションに限定する必要はないと指摘する。「若者がマンションでも非マンションでも選べるようにすべきだ」とし、住宅価格の基準を引き上げる一方で、融資上限を別途管理する方式も検討できると提案した。例えば、対象を8億〜10億ウォン以下の住宅まで広げつつ、実際の融資額には別の上限を設ける方法だ。
一方で、制度そのものを否定的にみる必要はないとの意見もある。NH農協銀行の不動産専門委員、ユン・スミン氏は、「マンションを買いたくても、20〜30代で自分の所得だけで購入できる人は多くない」とし、「マンション購入の余力がない若年層の中には、この商品を歓迎する需要も確実にある」と話した。
既存の住宅ローンや政策融資がなくなるわけではなく、非マンション購入向けの選択肢が一つ増えたと受け止めるべきだという。
ただ、ユン氏も現行の支援範囲はやや狭いと評価する。「やるなら、もっと広く開放する必要がある」としたうえで、「非マンションを対象にするにしても、現状は限度額や対象範囲がやや限定的だ。制度設計の段階から受益者の裾野を広げるのが望ましい」と述べた。
またユン氏は、「商品そのものだけを見れば、そこまで強く批判される内容ではない」としつつ、「足元の住宅価格上昇など、若年層を取り巻く住環境を考えれば、政府支援が期待に届いていないという批判は出てき得る」と付け加えた。
◆批判受け当局が追加説明、対象拡大の可能性にも言及
政策公表後には、若年層を事実上非マンション購入に誘導するのではないかとの批判が相次ぎ、金融当局も追加説明に乗り出した。
金融委員会は、青年未来住宅ローンは既存のマンション購入支援を縮小して非マンションに需要を振り向ける商品ではなく、若年層に新たな住宅購入の選択肢を加えるための制度だと説明した。マンション購入を希望する若年層向けの既存の政策メリットは維持されるとの立場だ。
金融委員会によると、月払い家賃で暮らす若年世帯の71.7%は非マンションに居住している。こうした層には、現在の家賃負担に近い水準で非マンションを確保したい需要があり得るとして、追加の購入機会を提供する考えだ。
また金融委員会は、青年未来住宅ローンで非マンションを購入しても、生涯初のLTV優遇は維持されると説明した。購入後に当該住宅を処分して再び無住宅者となった場合には、将来別の住宅を買う際に生涯初のLTV優遇を改めて受けられるとしている。
一方、論争が続いていることを踏まえ、今後の支援範囲拡大の可能性にも言及した。金融委員会は、青年未来住宅ローンを2年間の時限措置として運用し、利用実績や市場動向などを踏まえて支援対象の拡大を検討すると明らかにした。
このため、現時点では非マンションに限られている対象が、今後マンションなどに広がる可能性もある。ただ、拡大の可否や具体的な時期は決まっていない。
結局のところ、青年未来住宅ローンの成否は、現在非マンションに住む若年層のうち、どれだけが実際の購入需要として顕在化するかにかかっている。新たな選択肢を示す意義はあるものの、非マンションかつ4億ウォン以下という条件が若年層の実需にどこまで合致するかが焦点となりそうだ。
建国大学不動産大学院のパク・ハプス兼任教授は、「若年層の住み替えの足がかりという意味では、取得コストや投資性、換金性まで考えると、次の住み替えが容易でなくなるおそれがある」と指摘。その一方で、「それでも制度はないよりあった方がよく、十分に活用できる需要はあるだろう」と述べた。