最新DRAM規格のDDR5価格がこの1年で約5倍に高騰するなか、SSDの供給逼迫も2030年ごろまで続く可能性が浮上している。メモリとストレージの主要部材が同時に値上がりし、PC市場では価格上昇の長期化を懸念する見方が強まっている。
米ITメディアのTechRadarが17日付で報じたところによると、Wccftechはドイツの小売市場データを引用し、8月中旬時点のDDR5価格が2025年7月比で486%高に達したと伝えた。
上昇ペースは足元で一段と加速している。DDR5価格は6月に前年同月比419%高、7月に445%高となり、8月には486%高まで上昇した。6月中旬と比べても、この2カ月で16%上がった。
年初には一時下落後、横ばい圏で推移していたが、7月を境に再び急騰局面に入った。
内蔵SSDも同様の動きを見せている。ドイツの小売市場では、内蔵SSDの価格が1カ月で7.7%上昇し、供給不足が本格化する前と比べると約2.2倍の水準にある。
PCの主要部品であるメモリとストレージがそろって値上がりしており、消費者負担は重くなっている。
市場でとくに警戒されているのが、SSD価格の上昇長期化だ。SSDコントローラーメーカーPhisonのプア・カインセン最高経営責任者(CEO)は、SSDに使われるNANDフラッシュの生産能力拡大に、想定以上の時間を要する可能性があるとの見方を示した。
台湾の商業新聞によると、プア氏は最近、NANDメーカー幹部と増産に必要な期間を協議した結果、当初見込んでいた2年ではなく、約4年かかるとの回答を得たという。
このため、当初は2028年までと見られていたNANDの供給逼迫が、2030年まで続く可能性も指摘されている。SSD価格も、こうした長期的な供給制約の影響を受ける公算が大きい。
メモリ市場でも警戒感は強い。ドイツのPCハードウェア企業3Dcenterは、「現在の上昇基調が続けば、価格は近く異常な水準に達する可能性がある」としたうえで、「現時点では上昇が止まる兆しは見えない」と指摘した。
欧州主要市場での値上がりに加え、ほかの悲観的な見通しも重なり、供給不足の長期化を懸念する声は一段と強まっている。市場では、2026年後半から2027年にかけても価格圧力がさらに高まるとの見方が広がっている。
システムメモリ価格はすでに消費者の許容限界に近いとの指摘もある。一方で、デスクトップPCとノートPCの販売自体は続いており、個人ユーザーがアップグレードを先送りしたとしても、需要が急減する可能性は小さいとみられている。
今回の急騰は、単なる小売価格の一時的な変動ではなく、供給拡大の遅れがより大きな変動要因として浮上していることを示している。メモリとSSDの生産正常化が遅れれば、PC部材の高値圏は想定以上に長引く可能性がある。