ナスダック上場のヘルスケアデータ企業OneMedNetが、6月末までに保有していたビットコインを全て売却した。四半期報告書では、手元流動性だけでは向こう12カ月の運転資金を賄えないとし、継続企業の前提に重要な疑義があると示した。
CryptoSlateが17日付で報じたところによると、OneMedNetは6月30日締めの四半期報告書で、ビットコイン保有高が0BTCになったと公表した。
同報告書によれば、6月30日時点の現金は35万8000ドル(約5400万円)だった一方、流動負債は473万ドル(約7億1000万円)に上った。同社は、現在の流動性では今後12カ月の運転資金を十分に確保できない可能性があると説明している。
こうした状況を踏まえ、同社は継続企業の前提に重要な疑義があると記載した。
OneMedNetは2024年11月、約34BTCを取得したと開示し、財務面の回復力を高めるための配分だと説明していた。当時は、ビットコインの組み入れを財務戦略の一環として位置付けていた。
その後、保有量は2024年末に31BTC、2025年6月末に15BTC、2025年末に6BTC、2026年3月末に1BTCへと減少し、2026年6月末には0BTCとなった。
売却はキャッシュフロー面でも進んでいた。2024年通年のビットコイン売却額は96万9000ドル(約1億4500万円)。2025年は売却額が507万ドル(約7億6100万円)、取得額が275万ドル(約4億1200万円)だった。2026年上期は売却額41万9000ドル(約6300万円)を計上し、新規取得はなかった。
2025年末時点で保有量はすでに6BTCまで減っており、2026年上期の売却は、2024年に始まった保有縮小の最終局面だったとみられる。
同社は、必要に応じて財務部門が保有するビットコインを売却し、運転資金を確保してきたと説明した。ただ、報告書では個別の売却資金がどの費用に充てられたかまでは明らかにしていない。
また、今回の四半期報告書では、ビットコイン戦略を正式に撤回したとは明記していない。第1四半期報告書では同戦略を採用しているとしていたが、第2四半期報告書では「過去に採用した」とも読める表現に変わっており、保有残高がゼロになった後の方針はなお不透明だ。
財務負担も重い。6月30日時点の流動資産は131万ドル(約1億9700万円)に対し、流動負債は473万ドル(約7億1000万円)で、運転資本は341万ドル(約5億1200万円)の不足となった。
上期の営業活動によるキャッシュアウトは342万ドル(約5億1300万円)、純損失は463万ドル(約6億9500万円)だった。6月末の現金35万8000ドルは、上期の資金消費ペースを単純に当てはめると約19日分に相当する。
もっとも、これは過去の資金消費実績を基にした単純計算であり、会社側が示した正式な資金繰り見通しではない。
こうしたなか、同社は外部資金調達への依存を強めている。2026年上期には財務活動を通じて純額278万ドル(約4億1700万円)を調達し、発行済み株式数は2025年末の5180万株から、8月11日時点で5930万株へと約14.5%増えた。
四半期末後には、関係者向けの株式発行で145万株を1株0.69ドルで売却し、計100万ドル(約1億5000万円)を調達した。
さらに、追加の株式発行枠も確保した。OneMedNetは7月1日、Yorkvilleと契約を締結。登録や保有上限、発行上限などの条件を満たした場合、最大2500万ドル(約37億5000万円)相当の株式を、市場価格の97%を基準に売却できる資金調達枠を設定した。
この2500万ドルは現時点で払い込まれた資金ではなく、あくまで潜在的な調達枠だ。実際の希薄化規模もまだ確定していない。
ビットコイン保有を全て解消したことで、今後の事業継続には追加の外部資金調達が一段と重要になる。足元の焦点は、暗号資産を活用した財務戦略そのものより、株式発行を通じて資金繰りを維持できるかに移っている。