長期休眠BTCの増加は、実際に市場で流通する供給量の縮小を示唆する(写真=Shutterstock)

10年以上移動していないビットコインが356万BTCに達し、過去最高を更新した。総供給量2100万BTCの約17.7%に相当する。採掘済み比率が高まる中、長期休眠分の増加も重なり、市場で実際に売買可能な供給量は、統計上の発行量を下回る可能性がある。

CoinPostによると、オンチェーン分析プラットフォームCryptoQuantのアナリスト、ダークポストは、16日時点で10年以上移動していないビットコインが356万BTCに達したと明らかにした。

ビットコインはすでに2007万BTC超が発行されており、総供給量の約95.6%が採掘済みとなっている。一方で、新規発行量が細るなか、長期間動いていない保有分は増加を続けている。

直近30日間では、約1万4000BTCが新たに「10年以上移動のないBTC」に加わったという。新規発行分が市場に供給される一方、既存の保有分の相当部分は長期保管に移っていることを示す動きといえる。

もっとも、長期休眠状態にあるビットコインのすべてが恒久的に市場へ戻らないわけではない。実際、昨年7月には、数年間動いていなかったビットコインが移動した事例もあった。ただ、全体としては長期休眠分が増える傾向が続いているというのが、ダークポストの見方だ。

紛失分を加味すれば、実際の流通量はさらに少なくなる可能性がある。Binanceの共同創業者であるChangpeng Zhao(CZ)は15日、Xへの投稿で、既存のビットコインの10~20%が紛失、凍結、または回復不能な状態にあるとの推定を示した。あわせて、ビットコインは実質的にデフレ資産として捉えるべきだとの見解も示した。

ビットコインはおよそ4年ごとに半減期を迎え、新規発行量が減少する仕組みだ。秘密鍵の紛失などによって恒久的にアクセスできない保有分や、長期休眠分が積み上がれば、理論上の最大供給量2100万BTCと、実際に取引可能な供給量との乖離は広がりうる。

市場では、総発行量ではなく、実際に流通している供給量を重視すべきだとの見方が出ている。すでに全体の95%以上が採掘済みであるうえ、長期保有分や紛失推定分が増えれば、取引所などで即時に売買できるビットコインは相対的に希少性を高めるためだ。

ただし、10年以上移動していないビットコインがすべて失われたと断定することはできない。長期投資家が継続保有している分も相当数含まれるとみられ、こうした供給が今後市場に再流入するかどうかが、供給面を左右する主要な変数となる。

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