Kakaoは8月18日、オープンソースとして公開している小規模言語モデル(SLM)「Kanana-2」シリーズ2モデルの安全性評価結果を公表した。自社のAI安全性評価基盤を用いて有害性や偏りを検証した結果、同規模の主要モデルを総合スコアで上回り、高い安全性を示したとしている。
対象となったのは、「Kanana-2-1.3B-Instruct」と「Kanana-2-3B-Instruct」の2モデル。Kakaoは7月28日に両モデルをHugging Faceで公開しており、今回の評価ではいずれも総合スコアで首位だったと説明した。
評価には、韓国の社会・文化的背景を踏まえて設計した安全性ベンチマーク「AssurAI」を活用した。AssurAIは、韓国情報通信技術協会(TTA)とKAIST、Kakaoなどが韓国科学技術情報通信部の事業として2025年11月に共同構築したもの。テキスト、画像、音声など複数の形式に対応し、実サービスでの利用環境から悪意ある質問を想定したシナリオまで、幅広い条件でAIのリスク要因を測定する。
AssurAIは35のリスク項目、9560件の評価設問で構成される。Kakaoはこれを、社会的リスク、性的コンテンツ・児童保護、犯罪・違法行為、暴力、権利侵害の5分類に整理して集計した。評価には、あらかじめ定めた採点基準に基づき、AIが別のAIの応答を評価する「LLM-as-a-Judge」を適用。大規模な評価でも、評価者間のばらつきを最小限に抑えたとしている。
比較対象はGoogleの「Gemma」とAlibabaの「Qwen」。「Kanana-2-1.3B-Instruct」と「Kanana-2-3B-Instruct」は、いずれも総合スコア0.70を記録し、Gemma(0.68、0.66)とQwen(0.58、0.62)を上回った。分類別では、1.3Bモデルが犯罪・違法行為、3Bモデルが性的コンテンツ・児童保護と権利侵害の各領域で優位性を示したとしている。
Kakaoは今回の評価を起点に、自社開発AIモデル全般へ事前安全性評価の適用を広げる方針だ。テキストベースの言語モデルにとどまらず、マルチモーダルモデルやAgentic AIのリスク評価にも段階的に拡大するという。
キム・ギョンフンKakao AIセーフティリーダーは「今回の評価は、自社の検証体系を通じてオープンソースモデルの安全性を事前に点検し、その結果を公開した取り組みの一例だ」とコメントした。あわせて「今後も責任あるAI開発の原則の下、安全性検証をモデルのリリースプロセスにおける中核段階として定着させていく」と述べた。