Bitcoinの取引所での供給逼迫が、事実上解消に向かっている可能性が浮上した。オンチェーン分析会社Santimentによると、取引所から流出していたBitcoinの大半が再び戻り、短期的には売り圧力が強まりやすい状況になっているという。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが17日付で報じた内容として、Santimentは、8月上旬から中旬にかけて、投資家が引き出していたBitcoinの84%が取引所の流動性ウォレットに戻ったと指摘した。これにより、取引所残高は急速に回復したとしている。
この間、Bitcoin価格は6万3500ドル前後で狭いレンジ内の値動きが続いた。Santimentのデータでは、取引所保有量は6月12日時点の133万7000BTCから、7月28日には130万4000BTCまで減少していた。
約6週間で取引所から流出した数量は3万3000BTCで、減少率は2.5%だった。
一方、8月16日時点の取引所残高は133万2000BTCまで回復した。6月の高水準と比べると5200BTC少ないものの、足元では新規流入のペースも安定しているという。
Santimentは、この動きをBitcoin現物ETFの需要とは切り分けてみる必要があるとも指摘した。ETFの新規持ち分発行は、公開市場の取引所アドレスとは別系統で処理されるためだ。
発行体は相対取引(OTC)を通じて、採掘事業者や長期保有者からBitcoinを直接買い付ける。このため、取引所の流動性回復は、機関投資家マネーの流入とは別に進んでいると説明している。
市場では今回の流入について、個人投資家主導の守りの動きと受け止める見方が出ている。外部のマクロ要因や米連邦準備制度理事会(FRB)の議事録公表を前に警戒感が強まり、個人投資家が売却しやすい形でBitcoinを取引所へ移している、という見立てだ。
Santimentは足元の状況について、取引所内に一定の流動性バッファーが形成されたと分析している。利益確定や市場不安が強まった局面で、売りに回り得る待機分が増えたことを意味する。
短期的には、供給不足が直ちに価格を押し上げるとの期待は後退し、需給は売り手寄りに傾きつつあるとの見方もある。
もっとも、機関投資家によるBitcoinの買い集めが止まったわけではない。大口の機関資金は引き続き閉鎖的なOTC市場で資産を積み上げる一方、取引所では個人投資家の持ち高が増えている。
こうした構図は、同じBitcoin需要でも、取引所価格への影響が異なり得ることを示している。
このため、短期市場の焦点は、取引所に流入したBitcoinが実際の売りにつながるかどうかに移っている。現時点では、取引所内のBitcoin不足を根拠とした即時の急騰シナリオは勢いを失いつつある。