写真=アン・ウングク氏(Cafe24マーケティングセンター グループチーム長、撮影:ソク・デゴン)

Cafe24は、EC事業者が抱える広告運用、在庫管理、資金繰りの課題をデータでつなぎ、一体的に最適化する取り組みを強化している。広告出稿前に販売有望商品を選別し、売上連動型広告で広告費の立て替え負担を抑えることで、売れ筋商品の欠品や資金不足による機会損失の抑制を狙う。

Cafe24マーケティングセンターのアン・ウングク氏は、17年にわたり顧客訪問とコンサルティングに携わってきた。現在は、広告出稿規模の大きいVIP顧客を担当する組織を率いており、現場の主要課題として、マーケティングの専門性不足、在庫管理の不備、資金逼迫の3点を挙げる。

同氏によると、多くの事業者では在庫を体系的に分類・管理する担当者が不在だ。Excelで在庫数量を把握するにとどまり、どの商品がどれだけ運転資金を占有しているかまで見えていないケースが多いという。

こうした問題は、広告が成果を上げた局面で一気に表面化する。反応のよい商品について追加出稿を提案しても、在庫不足で対応できない例がある。健康機能食品のように、1日の広告費が最大1億ウォンに達する事業者では、在庫が詰まると10~15日間広告を止めざるを得ない。一方で、販売を伸ばしたい商品に予算を集中しても売れなければ在庫が積み上がり、資金が固定化する。

Cafe24の在庫分析サービスは、こうした判断をデータで可視化する仕組みだ。商品を、売上貢献度を示すABCと、販売継続性を示すXYZの2軸で分類する。Aは少数ながら売上の大半を占める商品、Bは広告なしでも継続的に売れる潜在商品、Cは販売実績がほとんどない保留商品と定義する。XYZは、継続的に売れるX、季節要因の影響を受けやすいY、販売時期の予測が難しいZに分け、掛け合わせによって9つのタイプに整理する。

アン氏は、潜在商品の発掘は従来の支援では難しかった領域だと説明する。広告なしでも売れる商品を見極めることで、予算配分の優先順位が変わるためだ。販売順位の低い区分の商品には、広告費を投じるのではなく、企画展開、セット販売、価格調整といった施策を適用する。

意思決定の順番も見直した。従来はまず広告を出稿し、その後に成果を確認していたが、現在は広告前に販売対象商品と広告対象外商品を選別する方式へ改めた。アン氏は、当初は経営者の勘に依存する場面が多かったものの、時間の経過とともにデータの重要性が高まったとし、「試行錯誤はあっても、同じ判断を二度繰り返すべきではない」と話した。

広告をかけずに売れる潜在商品が差別化要因に

もっとも、商品を選別できても広告費がなければ運用は止まる。製造業者やブランド事業者では、人件費を除く資金の60~80%を生産と在庫確保に投じるケースが多い。そこに決済代行(PG)事業者の精算サイクルが重なる。広告費は毎週発生する一方、売上金の回収には3~5日、長い場合は15日を要する。

アン氏は、データ上では成果が改善しているにもかかわらず、「今週は入金がなく広告を出せない」となる場面が最も大きな機会損失だと振り返った。

Cafe24が昨年導入した売上連動型広告は、この資金の空白を埋める仕組みだ。Cafe24が広告費を先に決済してキャンペーンを運用し、発生した売上をPGの精算を通じて15日単位で回収する。回収額が不足した場合は広告主が差額をチャージし、遅延が1週間以上続くと広告は自動停止する。未納が許容される期間は最大30~45日で、この方式で1億ウォン超を執行する事業者もあるという。

アン氏は、この仕組みを単なる資金支援とは位置付けていない。広告費支出と売上回収の時間差で生じるボトルネックを解消し、手元資金を滞留させず、在庫確保や次シーズン向け企画への投資に振り向けられる点に意義があるとする。

運用は循環型だ。在庫分析サービスが販売有望商品を抽出し、広告自動化ソリューション「ネクストジェン」がクリエイティブを生成して広告媒体に配信する。さらに売上連動型広告が資金面を補完し、その結果として蓄積された販売データが再び商品分類にフィードバックされる。アン氏は、個別機能の利用件数よりも、各種データを一つの流れとしてつなぐことが重要だとし、業種や事業規模を問わず成長事例が出始めていると明らかにした。

広告費を使わずに売上を伸ばす導線も用意する。陳列アシスタントは、購入履歴、カート投入、同時購入データを分析し、あわせて露出すべき商品を提案する。例えば、送料無料の条件にわずかに届かないカートに対し、低価格商品を追加提案するといった活用を想定している。

データは生産計画にもつながる。アン氏は、同じ女性アパレルでもパンツが強い店舗がある一方、アウターの中でもコートだけが動かない店舗があると説明。以前は競合データを基に次シーズンの商品を提案していたが、現在は当該商品群がそのショップに適しているかどうかまで判断できるようになったという。

マーケティングセンターでは、業種が異なっても基本構造は共通するとみている。健康機能食品は成分と信頼、生活用品は利便性、化粧品はレビューとビジュアルと、購買基準には違いがあるものの、商品単位の販売構造そのものは共通するとの見方だ。センターには約70人のマーケターが在籍し、6万件超の有料ショップデータを参照している。

一方で、成果を保証するわけではない。アン氏は、売れない商品を広告で露出しても成果にはつながらず、その場合は商品開発やブランディングから見直す必要があると述べた。

同氏はショップ運営者に対し、自動化基盤の活用を訴える。外部からは自動化の実感を持ちにくく、手作業を求める傾向があるが、検証済みのシステムに委ねることで、成長そのものを保証するわけではないにせよ、短期間で大きく伸びる可能性はあるとする。ただし、データ分析だけでは経営者の感覚に追いつきにくい面もあり、AIがすべてを代替すれば似たようなショップばかりが増える可能性もあると付け加えた。

次の段階として見据えるのは、1人のマーケターが担当できる管理範囲の拡大だ。アン氏は、エージェントが広告運用とクリエイティブ制作を自律的に処理し、マーケターは顧客、商品、戦略に関する議論へ集中する体制を志向していると説明した。現在は1人で10社程度を担当しているが、将来的には100社、200社まで担当先を広げつつ、より深い支援を実現したい考えだ。

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