国策銀行3行の労組が11日、ソウル・汝矣島の韓国産業銀行本店近くで開いた「国策銀行地方移転阻止 総力闘争決起大会」。写真=聯合ニュース

韓国政府が第2次公共機関地方移転計画を近く公表するとの観測が広がり、金融界に緊張が走っている。韓国産業銀行、IBK企業銀行、韓国輸出入銀行の国策銀行3行に加え、金融委員会や金融監督院にも移転観測が及んでおり、労働組合は移転阻止を掲げて総ストライキに向けた動きを強めている。

金融界によると、政府は早ければ25日にも、中央行政機関の追加移転と第2次公共機関地方移転計画の大枠を示すとの見方が出ている。足元では、政府ソウル庁舎にある金融委員会の世宗移転や、産業銀行、企業銀行、輸出入銀行の地方移転案が具体的に取り沙汰されている。

金融監督院についても移転の可能性が指摘されている。ただ、政府が対象機関や移転先を正式に確定した段階ではない。国土交通部は第2次公共機関移転を検討しているとしつつ、具体的な対象機関と地域は未定との立場を示している。

このため、各金融機関の移転可否や移転先は、政府の最終計画が公表されて初めて全体像が見えてくる見通しだ。

◆金融中枢にも移転観測

金融界の警戒感が強まっているのは、移転対象として名前が挙がる機関の範囲が広がっているためだ。

最も直接的な影響を受けるのは国策銀行3行で、産業銀行、企業銀行、輸出入銀行はいずれも本店をソウルに置いている。第2次公共機関移転を巡る議論が進むなか、これらの地方移転案が相次いで取り上げられ、内部の反発も強まっている。

金融委員会の世宗移転観測も出ている。金融委員会が世宗に移れば、金融政策を担う中央官庁がソウルを離れることになり、金融会社との業務運営にも少なからぬ変化が生じる可能性がある。

さらに、金融委員会と密接に連携する金融監督院まで移転対象として取り上げられ、金融当局のソウル離れの行方にも注目が集まっている。

韓国銀行についても世宗移転説が取り沙汰されている。ただし、韓国銀行を含む一部の金融機関は、政府判断だけで本店や本院を移すのが難しい構造にある。

現行の韓国銀行法は、韓国銀行の主たる事務所をソウル特別市に置くと定める。金融委員会設置法も、金融監督院の主たる事務所をソウルに置くと規定しているとされる。

産業銀行法、中小企業銀行法、韓国輸出入銀行法も、それぞれ本店をソウルに置くと明記している。これらの機関を地方へ全面移転するには、関連法の改正が前提となる。

預金保険公社も例外ではない。同公社の労組は11日に研究発表会を開き、同公社は金融会社の不良化や金融危機に対応する金融セーフティーネット機関だとして、一律の地方移転対象から除外すべきだと主張した。

金融会社の本店や金融当局がソウルに集中するなかで物理的な距離が広がれば、不良化の兆候把握や機関間連携、危機時の迅速な意思決定に支障が出かねないという。

特にデジタル環境では、預金流出や市場不安が数時間で広がり得るため、金融中心地へのアクセス性が重要だと説明した。現行の預金者保護法も、預金保険公社の主たる事務所をソウル特別市に置くと定めている。

◆労組の反発が本格化

移転議論が具体化する兆しを見せるなか、金融界の労働組合の反発も強まっている。

産業銀行、企業銀行、輸出入銀行の労組は11日、ソウル・汝矣島の韓国産業銀行本店近くで「国策銀行地方移転阻止 総力闘争決起大会」を開いた。国策銀行3行の労組が地方移転問題を巡って共同行動に踏み切ったのは初めてで、主催者側推計で約2000人が参加した。

金融労組は来月4日に総ストライキに入る予定だ。地方移転阻止は、週4.5日制の導入や実質賃金の引き上げと並び、今年の産別中央交渉の主要要求に盛り込まれた。

12日に実施した争議行為の賛否投票では、投票者の96.1%が賛成した。総ストに先立ち、28日にはソウル・汝矣島で決起大会を開く計画だ。

これに先立ち、金融労組の農協支部も先月集会を開き、公共機関にとどまらず民間の協同組合まで移転対象に含めようとする動きに反対する立場を示していた。

政府の具体案はなお公表されていないが、金融界ではすでに反対の動きが広がっている。公表案に金融当局や国策銀行などの金融機関がどの程度盛り込まれるかによっては、地方移転を巡る対立がさらに激しくなる可能性がある。

金融界関係者は「地方移転に関するさまざまな観測が具体化し、職員の不安は大きくなっている」と語った。さらに「特に若手職員の間では、住居や家族、子どもの教育といった問題を考えると、退職や家族との別居まで視野に入れざるを得ない状況だ」と話した。

そのうえで「こうした現実的な問題を踏まえると、地方移転を進める実益が本当にあるのか疑問が残る」と付け加えた。

別の金融界関係者は「関連法案の準備など後続手続きが想定より早く進むとの観測も出ている」としたうえで、「これに伴い、労組を中心とした反発も簡単には収まらないだろう」と述べた。

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