写真=LG Electronics。シンガポールで開催中の「DCWA 2026」で、AIデータセンター向け冷却ソリューションを披露した。

LG Electronicsは9月29日、シンガポールで開幕したアジア最大級のデータセンター関連イベント「Data Center World Asia(DCWA)2026」で、AIデータセンター向けのモジュール型冷却ソリューションを初披露した。熱管理から電力、運用までをカバーするトータルソリューションを打ち出し、市場開拓を本格化する。

今回初公開したのは、ポンプやバルブ、非常用バッファータンクを一体化した「Hydronic Modular」ソリューションだ。ポンプや配管をISO標準コンテナ内にあらかじめ組み込む方式を採用し、現場ではチラー本体とコンテナモジュールを接続するだけで冷却システムを立ち上げられる。

従来は、チラーでつくった冷水をサーバールームに送るため、多数のポンプや配管を現地で溶接・組み立てる必要があり、工期やコストの増加要因となっていた。

モジュール方式は増設のしやすさも特徴だ。AI需要の急拡大を背景に、超大型AIデータセンターを短期間で建設したいニーズが高まっている。標準化したモジュールを必要量だけ追加接続できるため、顧客は増設計画に応じて投資規模を調整しやすく、構築期間と初期投資の負担を抑えられるとしている。

チラーの新製品としては、「空冷式オイルフリーインバーターターボチラー」を展示した。マグネティックベアリングを採用したオイルフリー圧縮機により摩擦損失を抑え、冷却効率を高めた。

また、外気の冷熱を活用し、圧縮機を動かさずに冷媒を循環させて冷却する「フリークーリング」技術も採用した。データセンター内に冷気を供給し、熱を排出する「ファンウォールユニット(FWU)」もあわせて紹介した。

液冷分野では、冷却水を各サーバーに分配する冷却水分配装置(CDU)を中核製品として展開する。LG Electronicsは600kW級から数千kW級までのCDUをそろえており、今回は1MW級と2.6MW級を披露した。

600kW級製品に続き、1MW級と2.6MW級製品までNVIDIAの認証を取得したという。「ダイレクト・トゥ・チップ」方式を採用し、チップに接触するコールドプレートに冷却水を循環させる。既存の空冷システムと併用できる点も特徴だ。

このほか、サーバーを非導電性の冷却液に直接浸す液浸冷却ソリューションも開発中だ。チラーからCDU、コールドプレートまでを含む熱管理全体を「チップ・トゥ・チラー」のトータルソリューションとして提供し、ポートフォリオを拡充する方針としている。

会場には「One LG」ゾーンも設けた。LG Energy Solutionは、バッテリーバックアップユニット向けの「2170円筒形バッテリー」、「JF2 DC Link」、「JP5 UPSバッテリー」を紹介。LG CNSは「プレハブモジュール型データセンター」と「AIファクトリーフルスタックサービス」を公開した。

LG Electronicsのイ・ジェソンES事業本部長(社長)は、「超大型AIデータセンターに最適化した冷却トータルソリューションを武器に、グローバルAIインフラ市場で中核パートナーへと飛躍していく」とコメントした。

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