LG CNSは、モジュール型データセンターを軸にAIファクトリー事業を拡大する。GPUやサーバー、電力・冷却設備をあらかじめ製造し、現地で組み立てる方式を採用し、工期短縮と需要に応じた柔軟な拡張につなげる考えだ。
同社は9月30日、シンガポールで開かれた「Data Centre World Asia 2026」(29日)で、「プレハブ・モジュール型データセンター(Pre-fabricated Modular Datacenter、PMDC)」と「AIファクトリー・フルスタックサービス」を披露したと発表した。
PMDCは、AIファクトリーに必要なGPUやサーバー、電力・冷却設備を標準化したモジュールとして事前に製造し、現地で組み立てる方式だ。従来型のデータセンター建設に比べて現場作業を減らせるほか、AI演算需要の拡大に合わせてモジュールを追加し、インフラを段階的に拡張できるとしている。
LG CNSは、自社のデータセンター設計・構築・運用技術に、LG Electronicsのモジュール型冷却インフラ、LG Energy Solutionのバッテリーソリューションを組み合わせ、PMDCを構成した。
これを基盤に、コンテナ型の小型データセンターを活用する「モジュール型AIファクトリー」事業も進める。大規模なデータセンター建屋を新設せず、必要なAI演算規模に応じてコンテナを追加していく方式だ。
製品ラインアップとしては、NVIDIAの次世代GPU「Vera Rubin」ベースのIT負荷4MW級モジュールと、「GB300」ベースの1.2MW級モジュールを用意した。今後、ラインアップを順次拡充する計画という。
展示会では、Vera Rubinベースの「AIファクトリー・フルスタックサービス」も公開した。Vera RubinのGPUリソースをクラウド型で提供する「GPU as a Service(GPUaaS)」に加え、フィジカルAIなどのリアルタイム学習・推論を支援するインテリジェンスサービス、電力・冷却技術を統合したサービスで構成する。
LG CNSは、既存データセンターのAIデータセンター化を進める一方、高性能GPUに対応したインフラ構築事業も拡大している。今後は東南アジアをはじめ、北米や欧州でも関連事業を広げる方針だ。
LG CNSのAIクラウド事業部長(副社長)、キム・テフン氏は「AIファクトリーは、データセンターとGPUインフラ、AIサービスを結び付けた総合サービスだ。データセンターの設計・構築・運用の知見とAIインフラ技術を基盤に、事業競争力を高めていく」と述べた。