Waymoのロボタクシー(写真=Waymo)

自動運転ロボタクシーの実運用が広がる中、想定外の状況で車両が問題を起こす事例が目立ち始めている。事前学習していない「エッジケース」への対応が課題として浮上し、交通混乱だけでなく安全面への懸念も強まっている。

こうした事例はメディアでも大きく取り上げられている。2025年12月には、サンフランシスコで発生した停電の影響で、Waymoの車両約1600台が少なくとも2分間にわたり停止したと報じられた。

米New York Timesによると、Googleの親会社Alphabet傘下でロボタクシー事業を手掛けるWaymoは、運行台数を約4000台に拡大した。2025年初めの700台から5倍超に増えた計算になる。Waymoの車両は15の都市圏で運行しており、先月だけでもデンバー、ラスベガス、サンディエゴ、タンパで完全自動運転に切り替えた。

同紙は、Waymoの新都市展開チーム責任者フランクリン・トルヒーヨ氏の話として、ある地域向けに開発したソフトウェアが他地域でも徐々に有効に機能するようになり、都市ごとの再学習を経ずに展開速度を高めていると伝えた。

一方で、運行エリアが広がるほど、自動運転車が未経験の状況に直面する可能性は高まる。Waymoは2025年12月以降、ソフトウェア上の問題を理由に3回の連邦リコールを実施した。それ以前の22カ月間でも3回にとどまっていたことを踏まえると、リコールのペースは短期間で加速したことになる。この3回には、車両が冠水した道路に進入した事例も含まれていた。

7月4日には、10万人超が花火大会に集まったサンフランシスコの海岸沿いで、Waymoの無人車両が交差点をふさぎ、交通停滞を招く問題も起きた。一部の車両は3時間以上にわたって渋滞の一因となり、バッテリー切れでけん引されたほか、花火を踏んで発火する事故も発生した。

自動運転車を長年研究してきたカーネギーメロン大学の名誉教授、フィリップ・クープマン氏は、「問題は、車両が自ら困難な状況に陥っていると認識できず、支援を求めないケースが多いことだ」と指摘した。そのうえで、「自動運転技術は、自分が新しい状況に置かれていると認識するのが難しい。新しい状況では過度な自信を示し、ばかげたほど愚かなミスを犯しやすい」と述べた。

こうした事態を受け、Waymoに対する規制当局の監視を強める動きも出ている。

サンフランシスコ市のダニエル・ルーリ市長は、カリフォルニア州の交通長官に書簡を送り、大規模イベントや緊急時に無人車両が従うべき運用基準の策定を求めた。「平常時だけを前提とした規制では、もはや十分ではない」と訴えた。

これに対し、Waymoの広報担当サンディ・カープ氏は、最近のリコールについて「予防的な措置だ」と説明。「事業拡大に伴いエッジケースの発生率は低下しており、実際に起きた問題は継続的な改善に反映している」と述べた。トルヒーヨ氏も、「Waymoの目標は、過去に経験したかどうかにかかわらず、あらゆるエッジケースに対応できる技術をつくることだ」と説明し、「Waymoの重傷事故率は人間のドライバーより94%低い。継続的に学習し、製品を改善している」と強調した。

キーワード

#自動運転 #ロボタクシー #Waymo #Alphabet #リコール #エッジケース
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.