米金融大手のCharles Schwabは、米48州で暗号資産の現物取引サービス「Schwab Crypto」を開始した。対象は約4000万の証券口座で、ビットコインとイーサリアムの売買に対応する。
13日付のCryptopolitanによると、Charles Schwabの顧客は、これまで株式や債券の取引に利用してきた既存プラットフォーム上で、2つの暗号資産を直接売買できるようになった。
対象地域はニューヨーク州とルイジアナ州を除く48州。取引手数料は0.75%で、Schwab Premier BankとPaxosが運営を担う。
今回のサービス開始は、同社が進めてきた暗号資産の現物取引拡大策に沿う動きだ。Charles Schwabは第2四半期決算の発表時、「提供開始のスケジュールは計画通りに進んでいる」と説明していた。5月には、顧客需要に合わせて暗号資産事業を拡大する方針も打ち出している。Forbesの集計では、対象口座数は約4000万で、5月時点の3910万人から増加した。
Charles Schwabでデジタル資産部門を統括するジョー・ビエトリ氏は、「デジタル資産をポートフォリオに組み入れたい個人投資家にとって、第一に選ばれるプラットフォームを目指す」と述べた。暗号資産を他の投資資産とあわせて取引する際、サービス、教育、リサーチの面で利点があるとも説明した。
一方で、同社は商品の拡充を進める一方、リスクに対する慎重な姿勢は維持している。4月に公表したレポートでは、ビットコインとイーサリアムの組み入れ比率が1%〜3%であっても、ポートフォリオ全体に大きな影響を及ぼす可能性があると指摘した。過去の相場サイクルでは両資産が70%超下落した局面もあったとし、配分比率に一律の正解はないとしている。
市場環境も同社の動きを後押ししている。Charles Schwabは、顧客の保有する暗号資産連動の上場指数商品(ETP)が約2割を占めていると明らかにした。ウォール街では、Morgan StanleyがE*TRADEプラットフォームで暗号資産取引を開始し、Goldman Sachsはビットコイン・プレミアムインカムETFを申請している。
規制面では、米議会でClarity法案の審議が進んでいる。同法案は、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の監督権限を分担し、トークン、ステーブルコイン、分散型金融(DeFi)に関する連邦レベルのルール整備を盛り込む。Charles Schwabの今回の現物取引拡大は、米金融大手による暗号資産の取り込み競争が一段と広がっていることを示している。