Bitwiseのジェフ・パク顧問は13日、人工知能(AI)への投資ブームについて、短期的にはビットコイン(BTC)需要の重荷になっているものの、長期的にはむしろ追い風になり得るとの見方を示した。
ブロックチェーンメディアU.Todayが報じた。パク氏は、AI産業が生み出す巨額の富が最終的にビットコイン需要へ波及する可能性があると指摘した。
同氏によると、AIは足元で投機資金を引き寄せ、暗号資産と競合する有力な投資先として存在感を強めている。AI関連株への資金集中によって、ビットコインの相対的な投資妙味が薄れているという。投資資金には限りがあるため、AI主導の株高が続くほど、ビットコインが相対的に取り残される可能性があるとの見方も示した。
一方で、パク氏はAI景気をビットコインにとって一方的なマイナス要因とは捉えていない。「現時点では信じがたいかもしれないが、AIによる富の創出はBTCにとって非常に強気材料だ」とし、短期的にAIが資金を吸収しても、その過程で積み上がった富と資本が長期的には他の資産に向かう可能性があると説明した。
同氏が注目するのは、AIブームを支える金融構造だ。AI関連投資では、資産と負債の期間や構造にミスマッチが生じる可能性があり、そうしたポジションは時間の経過とともに不安定化しやすいとみている。AI投資熱が冷え込む、あるいは金融構造にひずみが表面化した場合、AI資産に集中していた資金が新たな投資先を探し、その受け皿としてビットコインが浮上し得るというのが同氏の見立てだ。
さらにパク氏は、ビットコインを「無期限資産」と表現した。資本移動が本格化すれば、ビットコインがその恩恵を受ける可能性があると主張している。
こうした見方は、足元で暗号資産市場の上値が重い背景の説明にもつながる。株式市場でAI関連企業の成長期待や収益見通しが高まるほど、投資家が高い値動きリスクを取ってまでビットコインに資金を振り向ける動機は弱まりやすい。リスク選好が維持されていても暗号資産が期待ほど上昇しない理由として、AI投資ブームが意識されている。
もっとも、パク氏はAIを、暗号資産への投資需要を奪う競合先であると同時に、長期的にはビットコイン需要を押し上げる潜在的な源泉とも位置付ける。現時点ではAIが資金を吸収してビットコインの逆風となっているが、AI産業で生まれた富が蓄積し、資金循環が進めば、その一部がビットコインへ向かう可能性があるという。
今後の焦点は、AI関連資産への資金集中がいつまで続くかだ。AI主導の株高が続く限り、ビットコインは相対的に出遅れる可能性がある一方、投資熱の鈍化や資金の再配分が進めば、パク氏が描くビットコイン需要拡大のシナリオが現実味を帯びるかが注目される。