ビットコインが昨年10月に付けた約12万6080ドルの高値から、足元では6万ドル台前半まで下落している。こうした中、資産運用会社VanEckとオンチェーン分析会社CryptoQuantは、今回の下げを市場構造の崩れではなく、過去サイクルでも見られた調整局面とみる分析を示した。一方で、現時点で底打ちを断定するのは早く、追加下落の可能性も残ると指摘している。
ブロックチェーンメディアのBitcoin Magazineが13日(現地時間)に伝えたところによると、VanEckは最新レポートで、足元の調整はビットコインの過去の半減期サイクルと似た値動きだと分析した。
ビットコインは半減期によってマイニング報酬が半減し、新規供給が縮小する仕組みを持つ。VanEckは、こうした供給構造の変化を背景に、市場がこれまで上昇と調整を繰り返してきたとみている。今回の下落も例外的な崩壊ではなく、過去のサイクルの延長線上にある調整との位置付けだ。
VanEckは独自の「GEOフレームワーク」を根拠に、底打ち形成の可能性も示した。この指標は、グローバル流動性、エコシステム内のレバレッジ、オンチェーン活動の3要素を追跡するもの。足元では3つのシグナルのうち2つが中立圏にあり、エコシステム内レバレッジは改善を示す領域に入ったと評価した。そのうえで、こうした組み合わせは底打ち初期のシグナルを示す可能性があり、段階的な買い増しを検討し始める局面になり得るとした。
CryptoQuantも、これに近いシグナルを示している。同社は「調整済み未実現純損益」指標をもとに、長期保有者が市場平均よりも深い未実現損失を抱える局面に入っていると分析した。長期保有者は一般に、損失への耐性が比較的高い投資家層とみなされる。
CryptoQuantのアナリスト、モレノDVは今週、長期保有者の損失負担が市場平均を上回る現象が、過去の主要サイクルの底値圏で繰り返し確認されてきたと指摘した。相対的に売り圧力に強い投資家層にまで損失が広がる局面が、過去には底打ち局面と重なっていたという見立てだ。
もっとも、両社とも現時点で底打ちを断定しているわけではない。CryptoQuantは、過去のサイクルでは同じ長期保有者指標が実際の安値到達前に、さらに大きくマイナス圏へ沈んだ例があると警告した。足元の数値はまだその水準に達しておらず、ビットコインがもう一段の大きな投げ売りに見舞われる可能性も残るとしている。
焦点は需要面にある。CryptoQuantは、機関投資家の需要が一段と強まり、保有者基盤が従来より強固になっている場合、今回のサイクルは過去ほど傷の浅い水準で底打ちする可能性があるとみる。逆に、こうした緩衝要因が弱ければ、過去と同程度の強さで下押し圧力が続く可能性がある。
現時点では、市場は過去基準で見ても明確な圧力を受けている一方、過去の底打ち局面で確認された極端なシグナルにはまだ到達していない。VanEckはサイクル上の底打ち初期に入った可能性を重視する一方、CryptoQuantは底打ちに近いパターンを認めつつも、早計な底入れ判断は避けるべきだとの立場を示している。次の焦点は、機関投資家需要の強さと、長期保有者の損失指標がどの水準で下げ止まるかに移る。