写真=Galaxy Digitalのマイク・ノボグラッツCEO(同氏のFacebook投稿より)

Galaxy Digitalのマイク・ノボグラッツ最高経営責任者(CEO)は13日、米政府の財政赤字拡大がビットコインの強気シナリオを支えるとの見方を示した。米政府が歳出を抑え込めない構造そのものが、ビットコインの投資ストーリーを下支えしているという。

暗号資産系メディアのU.Todayが13日(現地時間)に報じた。ノボグラッツ氏は、投資家で市場評論家のチャーリー・ビレロ氏の投稿に応じる形で、自身の見解を明らかにした。

ビレロ氏によると、米連邦政府の7月の歳入は3340億ドルだった一方、歳出は7660億ドルに達した。単月の財政赤字は4320億ドルに上った。

これに対し、ノボグラッツ氏は「状況はますます深刻になっている」との認識を示した。あわせて、米国は現在の財政運営を転換する必要があると指摘し、スコット・ベセント財務長官が掲げる「3-3-3」の経済フレームワークにも言及した。

この構想は、実質経済成長率3%、財政赤字をGDP比3%に抑えること、さらに米国の原油生産を日量300万バレル拡大することを柱とする。ただ、ノボグラッツ氏は、足元の米国経済はこうした目標には程遠いとみている。

米議会予算局(CBO)が2月に公表した見通しも、こうした懸念を裏付ける内容だ。CBOは、公的債務が今年にGDP比101%へ達し、現行法がおおむね維持された場合は2036年に同120%まで上昇すると予測した。

またCBOの推計では、2026会計年度の最初の9カ月の累計赤字は1兆4000億ドルだった。

ノボグラッツ氏は最終的に、債券市場が財政規律を迫ることになるとの見方も示した。過去10年に各分野で表面化してきたインフレは巨額の債務拡大と直接結び付いているとし、米国の二大政党に属する現職議員も、中間選挙を通じてこの問題を意識せざるを得なくなる可能性があると述べた。

同氏は、暗号資産市場の勢いが弱い局面であっても、政府が歳出抑制に失敗し続ける限り、ビットコインの強気見通しは維持されるとみている。

米財政赤字の拡大は、ビットコイン強気派が継続的に注視してきた代表的なマクロ要因の1つだ。政府債務が膨らむほど、長期的には通貨価値の低下やインフレ圧力への警戒が強まりやすいためだ。

その文脈では、発行上限が2100万枚に設定されているビットコインが、金のような希少資産として相対的な魅力を高めるとの見方につながる。

もっとも、財政赤字の拡大がそのままビットコイン価格の上昇に結び付くわけではない。米国債利回りの上昇やドル高が進めば、リスク資産全般の投資家心理を冷やす可能性があるためだ。

米国の財政不安がビットコインに追い風として作用するには、債務増加に伴う通貨価値の希薄化への懸念が、金利上昇による逆風を上回って意識される必要がある。

今回の発言は、ビットコイン自体の値動きよりも、マクロの財政環境に焦点を当てた点に特徴がある。市場内部の材料が乏しい局面でも、米国の赤字拡大と債務増加が、ビットコインの投資ストーリーを支え得るという主張だ。

今後の市場では、米財政赤字の推移や債務比率の変化、さらに債券市場の反応が、ビットコインのセンチメントにどのような影響を与えるかが注目されそうだ。

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