XRP 写真=Shutterstock

XRPは12日、一時1ドルを割り込み、2024年11月以来の安値となる0.99ドルまで下落した。現物市場と先物市場の双方で売り圧力が強まり、短期的には需給悪化が目立つ。一方で、現物ETFへの資金流入や大口保有者の増加など、中長期の下支え材料も確認されている。

CryptoSlateによると、XRPは同日の取引時間中に0.99ドルを付けた。ドナルド・トランプ米大統領の2024年大統領選勝利直後に形成された主要な価格帯も下回った格好だ。

XRPは2024年11月16日に初めて1ドル台に乗せた後、2025年7月には3.42ドルまで上昇した。ただ、その後は暗号資産市場全体の軟調地合いを受け、上昇分の大半を失った。足元では取引所の需給も売りに傾いており、短期的な反発材料は乏しい。

弱さはデリバティブ市場でも表れている。CryptoQuantによると、BinanceにおけるXRP未決済建玉の7日変化率は、8月1日時点の約マイナス13%から、11日には7.4%へプラス圏に転じた。CryptoQuantのアナリスト、ジェイエー・マルトゥンは、追跡データからXRPの未決済建玉が1億7100万ドル増加したと指摘した。ただ、新規資金の流入は買い圧力の強化にはつながっていない。

実際、Binanceの無期限先物における累積出来高デルタ(CVD)は、8月初旬の約マイナス2億5100万ドルから、11日にはマイナス3億4950万ドルへ悪化した。中央集権型取引所の現物推定CVDも、同じ期間に約1億9300万ドルからマイナス3430万ドルへ低下した。現物、先物のいずれでも成行売りが優勢だったことを示している。

CoinGlassのデータでも、市場センチメントは弱気寄りとなった。XRPが1ドル近辺で推移していた時点のロング・ショート口座比率は0.8432で、口座ベースではロングが約45.7%、ショートが54.3%を占めた。未決済建玉の増加だけでロング、ショートのどちらが増えたかは断定できないが、約定フローと合わせてみると、短期の主導権は売り手側にあるとの見方が強い。

XRPアナリストのビンセント・バン・コードは、1ドル割れに先立ち、Binanceにおける24時間のXRP取引高が10億ドル超から約6800万ドルまで急減したと警告した。板が薄い局面では、比較的小口の売りでも値動きが大きくなりやすいという。同氏は、約400万ドル規模の売り注文だけでXRPが0.95ドルまで下落する可能性があり、その場合はレバレッジをかけたロングの清算が連鎖しかねないとみている。

市場心理の悪化には、セキュリティを巡る懸念も重なった。8月9日には、Coreumブリッジで使われていたXRPLのアカウントから、19万9916.3XRPが新たに作成された2つのウォレットに94回に分けて移動した。その後、当該アカウントの残高は約20万XRPから493.5XRPへ減少した。

当初はXRPLのリップリング機能が原因との見方も広がったが、その後はブリッジのロジック上の欠陥に焦点が移った。XRPL.toは、基本的にXRPはその手法では移動できず、94件の出金はいずれもブリッジ固有のマルチシグ方式で承認されたものだと説明した。

もっとも、すべての指標が弱気を示しているわけではない。XRPの現物ETFには、4月に8159万ドル、5月に1億3194万ドル、6月に5946万ドル、7月に2729万ドルが純流入した。4カ月連続の資金流入となり、累計流入額は約15億ドルに増加した。Santimentのデータでも、100万XRP以上を保有するウォレットは直近3カ月で32増えた。

Rippleの規制対応も進んでいる。Rippleは7月、欧州連合(EU)の暗号資産市場法(MiCA)に基づき、暗号資産サービス提供者として全面認可を取得した。これにより、欧州経済領域(EEA)で関連サービスを提供できるようになった。

これに合わせ、XRPLには、トークン残高や取引金額を暗号化しつつ、発行者、監査人、規制当局に選択的なアクセスを認める機能が組み込まれた。XRPLはまた、トークン化実物資産(RWA)分野で総預かり価値が40億ドルを超える上位10ブロックチェーンの一角にも入っている。

XRP市場では足元の価格下落とエコシステム拡大が同時に進んでいる。現物・先物では売り優勢と流動性低下が続く一方、機関投資家マネーの流入や大口保有者の増加、Rippleの事業基盤拡大といった動きも並行している。

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