写真=4月26日、スーパーチャージャー前のModel 3(フリッツ・ハスラー提供)

Teslaが、米サンフランシスコ南部に124基のV4スーパーチャージャーを備える大規模充電拠点の建設を計画している。高速道路沿いに偏っていた大型拠点を市街地にも広げ、自宅での充電環境を確保しにくい集合住宅居住者の需要を取り込む狙いだ。

電気自動車メディアのElectrekによると、Teslaは8月12日(現地時間)、サンフランシスコのアレマニー通りとベイショア通りの交差点近くにあるタクシー保管用地について、スーパーチャージャー拠点の建設計画に関する許可申請を行った。

計画には、V4スーパーチャージャー124基に加え、電力設備、駐車場照明28基、約400平方フィートの小規模な利便施設棟が盛り込まれている。用地は米国国道101号に接する三角形の区画という。

この規模の拠点は、高速道路の休憩施設周辺では前例がある一方、市街地では異例だ。100基を超える大型スーパーチャージャー拠点はこれまで、サンフランシスコとロサンゼルスを結ぶI-5などの都市間幹線道路沿いや、カリフォルニア州の砂漠地帯に設置されるケースが多かった。

サンフランシスコ地域の既存スーパーチャージャーが数基から数十基規模にとどまっていたことを踏まえると、今回の計画は大きな転換点となる。長距離移動の利用者向けではなく、市街地で発生する大規模な充電需要に対応する拠点である点も特徴だ。

背景には、ベイエリアにおける電気自動車の高い普及率と住宅事情がある。アパートやコンドミニアムに住み、個人用充電器を設置しにくいTeslaオーナーが多く、共用の大規模充電施設に対する需要が高いとみられている。

充電技術の面では、V4プラットフォームの採用も注目点となる。V4は、最大500kW級の充電キャビネットに対応する次世代の充電プラットフォームで、Teslaは昨年、同等の出力容量を備えた本格的なV4充電拠点を初めて稼働させた。

今回の計画は、現在の充電需要への対応にとどまらず、今後の電気自動車の普及拡大も視野に入れた長期的なインフラ投資と位置付けられる。多数の充電器を1カ所に集約し、市街地の需要を効率的に取り込む考えだ。

施設内には利便設備も併設する。Teslaは計画図面の中で、約400平方フィートの建物を「マイクロ利便施設」と記載した。飲食店や大型店舗ではなく、バリアフリー対応の男女共用トイレ2カ所、ベビー用おむつ交換台、自動販売機、収納スペース、清掃機器、情報技術・セキュリティ機器室などを設ける。

自動販売機では、Cotyブランドのコーヒーや温かい飲料のほか、冷蔵・常温のスナックを販売する予定だ。建物は白色のアルミ複合パネル、ブラッシュドステンレス、金属製キャノピー、ガラス扉を用いた設計とする。

今回の計画は、Teslaが高速道路中心だった大規模充電拠点戦略を市街地へ広げるうえで、今後を占う案件となりそうだ。許可の可否に加え、124基規模のV4拠点がサンフランシスコ市街地の充電需要をどこまで吸収できるかが焦点となる。

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