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Morgan Stanleyは、SpaceXの公式目標株価を300ドルに据え置いた。一方で、AI事業やStarship、軌道コンピューティング、新規事業の実行力が一段と高まる強気シナリオでは、600ドルまで評価が拡大する可能性があるとの見方を示した。

米ブロックチェーンメディアのDecryptが11日(現地時間)に報じたところによると、600ドルはあくまで強気ケースの試算で、公式な目標株価ではない。Morgan Stanleyは、AI事業、Starship、軌道コンピューティングなどの分野で、より強い事業執行が実現することを前提条件に挙げている。

SpaceX株は当時、139ドル前後で取引されていた。この水準を基準にすると、300ドル目標の上昇余地は約116%、600ドルシナリオでは約332%となる。

Morgan Stanleyは評価レンジを、弱気ケース75ドル、ベースケース300ドル、強気ケース600ドルに設定した。

今回の評価で焦点となっているのは、AIコーディングプラットフォーム「Cursor」を手がけるAnysphereの買収だ。SpaceXは6月、Anysphereに関する買収オプションを行使した。

対価は、600億ドルの評価額を基準に算定したSpaceXのクラスA株式で支払われる。SpaceXが米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、取引は規制当局の承認などを経て、2026年第3四半期中に完了する見通しだ。

Morgan Stanleyは、Cursorの年間経常収益(ARR)が2026年末に80億ドル、2030年には約330億ドルに達すると予想した。

また、Cursorは第3四半期に黒字化した後、売上総利益率が2030年に60%台前半まで上昇すると見込んだ。株価139ドルを前提にすると、市場がSpaceXのAI事業に織り込んでいる価値は1株当たり12ドル程度にとどまり、上場AIインフラ企業と比べても低い水準だと判断した。

業績面でもAI事業の存在感は急速に高まっている。SpaceXの第2四半期売上高は前年同期比92%増の78億1000万ドルだった。

調整後EBITDAは191%増の35億4000万ドルとなり、純損失は約10億ドルから5億4100万ドルに縮小した。AI部門の売上高は25億6000万ドルで、1年前の7億3700万ドルから247%増加した。クラウドサービスの契約売上高も141億ドルを確保したとしている。

一方で、AI拡大に向けた大型投資は続いている。AI部門は四半期の設備投資183億7000万ドルのうち、約86%を占めた。

Morgan Stanleyは弱気シナリオとして、AIの収益化や展開ペースが鈍り、Starship計画にも遅れが生じる可能性を挙げた。これに対し、600ドルの強気シナリオは、AIインフラ、Cursor、Starship、軌道コンピューティングへの投資が、長期的な売上高とキャッシュフロー創出につながることを前提としている。

市場では、600ドルは公式目標株価というより、長期価値の上限を示す参考レンジとして受け止められている。Morgan Stanleyも、公式目標株価はあくまで300ドルだと明確にした。

同社はさらに、600ドルは目標株価そのものではなく、開発中の事業群に伴う価値の不確実性を反映したレンジとの位置付けだと説明している。

また、今回の評価はSpaceXの株式に適用される数値とされた。トークン化資産のSPCXBは基礎株式に対する経済的エクスポージャーを提供する設計だが、Binance内の別気配で取引されるため、流動性や需給、取引時間の違いによって基礎株価と一時的に乖離する可能性がある。

このため、600ドルシナリオはSPCXBの直接的な価格見通しではない。あくまでSpaceX株式の長期的な価値の可能性として捉える必要がある。

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