ビットコインは6万3000ドル前後の狭いレンジで推移しており、値動きは煮詰まりつつある。テクニカル面では、2023年秋の上昇相場入り前と似たボラティリティ圧縮の兆しが出ており、市場では次の方向性を探る動きが強まっている。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが8月12日(現地時間)に報じたところによると、ビットコインの日足チャートにおけるボリンジャーバンドの幅は、2023年10月以来の低水準まで縮小した。
市場では、こうした極端に低いボラティリティの状態を「スクイーズ」と呼ぶ。一般に、ボラティリティが大きく低下した後は、相場が一方向に大きく動きやすい局面とされる。
足元のチャートは、2023年秋の値動きと重なる部分がある。当時もボリンジャーバンドの収縮後にビットコインは本格的な上昇局面に入り、その後は2025年半ばまで強気基調が続いた。
今回は、こうしたテクニカル要因にマクロ環境も重なっている。この日発表された7月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想と一致した。これを受け、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が9月会合で追加利上げを見送り、政策金利を据え置くとの見方が意識されている。FRB当局者の間でも、現在の金利水準は十分に引き締め的で、追加利上げなしでもインフレ率を2%目標に戻せるとの認識が示されてきた。
強気派は、FRBの据え置きがビットコインの過去相場の再現を後押しする可能性があるとみる。長期のボラティリティ圧縮後に上放れれば、2023年と同様の力強い上昇局面に入るとの見方だ。
一方で、先行きに慎重な声もある。関税負担が続くほか、エネルギー価格を巡る不確実性も残る。AIブームに伴う関連需要の拡大もあり、中長期の物価動向にはなお不透明感が強い。こうした要因は、FRBの金融政策だけでなく、リスク資産全般の投資家心理にも影響し得る。
弱気派は、ボラティリティ圧縮が必ずしも上放れにつながるわけではないと指摘する。マクロリスクが強まれば、相場が下方向に振れ、ビットコインが7月初旬に付けた5万7800ドルの安値を再び試す可能性があるとの見方も出ている。
市場の関心は、2023年と似たボリンジャーバンドの収縮が再び強い上昇トレンドにつながるかどうかに集まっている。CPI発表後に強まったFRBの据え置き観測がリスク資産の地合いを支えるかも焦点で、ビットコインは長い横ばい相場を経て、次の方向を決める分岐点を迎えている。