米CNBCは11日、ジム・クレイマー氏が米国株市場の流れを見極めるうえで、株価指数より先に債券、原油、NVIDIAの3つを確認すべきだとの見方を示したと報じた。これらはそれぞれ、金利動向、インフレと地政学リスク、AI相場の健全性を映すという。
クレイマー氏は、投資家が市場のあらゆる値動きを追い続ける必要はないと指摘した。ウォール街の地合いは、3つの視点を押さえることで素早く把握できるという。同氏は「早い段階で、主要株価指数が常にすべてを物語るわけではないと学んだ」と語った。
同氏が挙げた3つの変数は、債券、原油、NVIDIAだ。債券は金利と米連邦準備制度理事会(FRB)の政策、原油はインフレと地政学リスク、NVIDIAはAI関連の取引が健全な状態にあるかを示す指標になると説明した。
1つ目の視点は債券市場だ。同氏は、国債利回りが上昇すると株式に対する債券の相対的な魅力が高まり、FRBの金融政策を巡る警戒感も強まると指摘した。30年物米国債利回りは約5.2%に達しており、金利動向を無視できない局面にあるとの認識を示した。
そのうえで、債券市場の影響力の大きさを強調した。「株式がいかに重要でも、債券市場のほうがはるかに大きく、相場を左右することを忘れてはならない」とし、「金利が低下すれば市場はおおむね堅調になり、上昇すれば逆風になりやすい」と述べた。
2つ目は原油価格だ。同氏は、原油高がインフレ圧力を強め、債券市場の動きを読み解く手掛かりにもなると説明した。原油は地政学リスクを測るうえでも重要性を増しているという。投資家が、イランを巡る衝突と、それがホルムズ海峡に及ぼす影響を注視しているためだ。
一方で、原油の小幅な値動きに過剰反応すべきではないとも述べた。足元の原油価格は直近高値をなお下回っているためだ。
3つ目はNVIDIAの動向だ。同氏はNVIDIAについて、経済の3分の1から半分を映すバロメーターだと位置付けた。AIインフラ投資が従来のテクノロジー企業の枠を超えて広がるなか、NVIDIAの業績が拡大する経済領域を見通す手掛かりになるとの見方だ。
同氏は「NVIDIAが地球上で最大の企業だからというだけではない」としたうえで、「この市場のかなりの部分がNVIDIAの運命、AIの運命、データセンターの運命に左右されている。だからこそこの問いが重要になる」と語った。