Alibaba Cloudのモジュール型アーキテクチャ「CUBE 5.0」のイメージ。写真=Shutterstock

Alibabaは、自社のモジュール型設計を活用し、大規模な人工知能(AI)データセンターの構築期間を最短100日に短縮し、建設費も10%削減した。AIインフラ需要の拡大を背景に、短工期と量産体制の両立を狙う。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが11日付で報じたところによると、中国証券ジャーナルは、Alibaba Cloudのモジュール型アーキテクチャ「CUBE 5.0」により、大規模AIデータセンターの構築期間が最短100日まで短縮されたと伝えた。一般的な構築期間は中国で6〜12カ月、米国で12〜18カ月とされる。

中核となるのは、工場での事前製造だ。従来は電力、冷却、ITシステムを現地で順次設置していたのに対し、モジュール型データセンターではインフラ設備を個別ユニットに分けて工場で同時に製造する。その後、コンテナ型ユニットとして現地に搬入し、ブロックを積み上げるように組み立てる。

Alibaba Cloudは、この方式によって現地作業への依存を抑え、大規模設備をより迅速に展開できるとしている。

同社は今年の生産効率についても、2倍超に高まるとの見通しを示した。効率は、一定期間内に引き渡したモジュール型データセンターの供給量を基準に測定するという。

AIインフラ需要が急増するなか、構築スピードと供給能力を同時に引き上げる狙いがある。

技術面では、モジュール化の適用範囲を大幅に拡大した。2024年に公開したCUBE 5.0では、電力供給、冷却、セキュリティ、インテリジェント管理、消防の5つの中核システムについて、モジュール化比率を従来の30%から90%へ引き上げた。

導入実績も出始めている。Alibabaは中国の内モンゴル自治区ウランチャブ市と寧夏回族自治区中衛市で同アーキテクチャを試験運用した。欧州と東南アジアでの展開に向けた認証も取得したという。

同社は、中国国内での実証段階を超え、海外展開を本格化させつつある。

Alibabaはグローバルでのデータセンター投資も拡大している。昨年公表した3800億元(563億ドル、約8兆4000億円)規模のAI向け設備投資計画に沿って、世界でデータセンター拡張を加速している。

最近ではフランスで初のデータセンターを開設し、海外拠点を新たに加えた。

こうした動きはAlibabaに限らない。世界的なAIブームを背景にデータセンター需要が急増するなか、主要テック企業は、短期間で拡張しやすいモジュール型方式に注目している。

Googleは早くからモジュール型データセンターの考え方を採り入れており、MicrosoftやMetaも事前製造モジュールを活用してクラウドおよびAIインフラを拡大している。

競争の軸は、AIインフラをいかに早く確保し拡張できるかへ移りつつある。モジュール型データセンターは、単なる建設手法にとどまらず、AIインフラ投資競争の中核手段として存在感を高めている。

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