Alibabaが、次世代AIモデル「Qwen3.8-Max」を巡り、大口の商用利用企業に収益分配を求める仕組みを検討している。オンラインメディアのGIGAZINEが12日、現地時間ベースで報じた。
報道によると、同社はQwen3.8-Maxをオープンモデルとして公開し、モデルウエイトも開放する一方、一定規模以上の商用利用者には別途契約を求める方向だという。
狙いは、オープン公開を維持しながら、大口利用では収益化も図ることにある。一般的なオープンモデルの公開とは異なり、一定規模以上でサービスを展開する事業者については、Alibabaと個別契約を結んだ上で売上の一部を分配する形となる可能性がある。現時点で、具体的な分配比率は決まっていない。
Qwenシリーズの公開形態は世代ごとに異なる。Qwen3.5とQwen3.6はオープンモデルとして提供された一方、Qwen3.7はクローズドモデルとして公開された。その後、AlibabaはQwen3.8を再びオープンモデルに戻す方針を示している。今回の案は、公開戦略を維持しつつ、大口顧客の商用活用では別途収益化の仕組みを設ける試みといえる。
中国では、これに近い先行事例もある。AI企業のMoonshot AIは「Kimi-K3」をオープンモデルとして公開し、「Kimi K3 License」を適用した。同ライセンスでは、モデルをサービスとして提供する事業者のうち、年商が2000万ドル(約30億円)を超える場合、Moonshot AIとの商業契約締結を求めている。Alibabaも同様の枠組みを採る可能性がある。
Moonshot AIの条件は、収益分配の水準を占う目安として注目されている。「Kimi K3 License」は最大30%の収益分配を求める可能性があるとされるが、詳細は明らかになっていない。Alibabaについても、どの水準の比率を適用するかは未定だ。
こうした設計は、オープンモデルのエコシステムにおける収益化手法が変化しつつあることを示している。モデルウエイトを公開しても、大規模な商用サービスに利用する事業者には別途契約を求める形が広がる可能性があるためだ。特にQwen3.8-Maxのような大規模モデルが企業向けサービスの中核インフラとなれば、ライセンス条件は開発エコシステムや導入コストに直接影響する可能性がある。
今後の焦点は、Alibabaが大口商用利用者の基準をどこに設定するか、また収益分配比率や契約条件をどこまで具体化するかにある。Qwen3.8が再びオープンモデルとして公開される見通しであるだけに、公開範囲と商用利用条件の線引きが市場の注目点となりそうだ。